ギタリスト・かとうたかこの音楽ブログ

楽器レビューのほか、音楽をテーマにブログを書いています。

軽音楽部の新歓コンパが未来のミュージシャンを潰してしまう…その前に

4月。

 

大学では、期待に胸を膨らませた新入生が、どんな授業を履修し、どんな部活に入ってキャンパスライフを楽しもうかと、ドキドキ、ワクワクする季節です。

 

当ブログとその読者の皆さんは、もちろんそのキャンパスライフについては、音楽を通じて楽しんでもらうことを期待する方が多いことでしょう。

 

大学生の音楽活動において、多くの場合に拠点になるのが、大学の軽音楽部。しかし、こういった軽音楽部は、時として音楽活動を希望する若者を苦しめる存在になってしまうことがあります。

 

本日は、そういった事態について、考えてみたいと思います。

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体育会系の新歓コンパを展開しがちな軽音楽部

これは多くの大学において見られる典型パターンなのですが、総じて軽音楽部のノリというのは、体育会系であり、かつ悪ノリ系になりがちです。

 

具体的には…

  • 常軌を逸したハイテンションで非常識な言動を繰り返す
  • 先輩が後輩に一気飲みを強要
  • 後輩女子にセクハラまがいの言動を繰り返す
  • そうした言動に不快な態度を示せば「ノリが悪い奴」のレッテルを貼る

 

残念ながら、多くの大学の軽音楽部において、こうしたノリの飲み会が見られがちです。

 

当事者たちは、そうしたノリを「ロック」か何かと思っているようですが、たとえば現在、社会人がこうした飲み会を職場で開けば、確実に問題視され、場合によっては上司等が懲戒処分をされてもおかしくないような時代です。

 

そして、こういったノリの飲み会を、新歓コンパでも展開してしまうのが、大学の軽音楽部なのです。

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軽音楽部のノリは、音楽活動には必要ない

言うまでもなく、こういった軽音楽部のノリは、音楽活動のクオリティを高めていく過程においては全く必要のないものであり、前述のように反社会的な行動とみなされてしまう空気が醸成された昨今においては、むしろ邪魔なものでもあります。

 

しかしながら、軽音楽部において、このようなノリについていけるだけの「耐性」が必要になってくるとなると、大学の軽音楽部において音楽活動を持続させることができるには、「音楽を大好きな気持ち」以外の不要物までもを身につけないといけなくなってしまいます。

 

音楽が好き、ギターが好きという気持ちで軽音楽部に入ろうとしたのに、軽音楽部のノリについていけず、音楽を断念してしまう…。

 

軽音楽部の新歓コンパは、音楽を志す若者を、潰してしまっているのです

 

軽音楽部は新歓コンパのノリを抜本的に見直そう

軽音楽部の新歓コンパのノリは、体育会系の部活と同等か、あるいはそれ以上の悪さがあり、これが音楽に興味ある若者のハードルになってしまっているとすれば、これは大変に残念な話です。

 

そうでなくとも、昨今、ギター人口の減少が叫ばれ、音楽業界が強い危機意識を共有している時代です。

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音楽を愛する者たちが、この世界の面白さを幅広い人に伝えようと必死に努力している中、「大学の軽音楽部のノリが異様」とかいう、つまんない理由で、ギターを志す若者が入口で排除されてしまうなんてことは、決してあってはなりません

 

もし、軽音楽部の皆さんが、ともに音楽に取り組む仲間を増やしたいと心の底から願っているのであれば、ぜひ新歓コンパのノリを抜本的に見直していただきたいと思います。

 

これは、何も難しいことではありません。単にコンパの場で、大人として常識的な態度で振る舞う。これだけで良いのです。

 

そう、たったこれだけで、つまらない理由で軽音楽部から離れていく若者を、食い止めることができるのです。

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悪ノリ新歓コンパは「仲間うちライブ」につながる…

しかしながら、もしそこに意識が及ばず、反社会的なノリで新歓コンパを繰り広げるような軽音楽部があるとすれば、それは音楽を愛しているのではなく、反社会的なノリを愛しているだけだと言えます。

 

そして、そうした反社会的なノリを共有できる仲間たちで「仲間うちライブ」を展開したいだけだと見なされてしまうのです。

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当ブログでは、これまで幾度も指摘をしているとおり、仲間うちライブは、 コミュニティを外部に開くことが出来ず、短期的にはそれで良くても、長期的には音楽コミュニティの衰退につながるもの。

 

こういった視点においても、本来開かれたコミュニティであるはずの大学軽音楽部が、「不適切な体育会系のノリ」のせいで閉ざされたコミュニティになることは、絶対に避けなければならないのです。

 

もし新歓コンパが悪ノリモードだったら…軽音楽部以外の道を探そう

そして、不幸にして、自分の入学した大学の軽音楽部が、こういった不適切なノリの新歓コンパを行っていたら…希望を胸に抱いて部室の門を叩いた新入生は、どうしたら良いか。

 

こういうときは、残念ですが、軽音楽部への入部をあきらめた方が良いです。

 

このような組織に身を置いて音楽に取り組んでも、ポイントポイントで開かれる飲み会において不愉快な思いをするだけですし、そして万一このようなノリを許容してしまったり、あるいはそれを肯定する立場になったりすると、社会人になってから懲戒処分の対象となるような飲み会を展開してしまう、愚かな大人になってしまいかねません。

 

幸い、昔と違い、今はさまざまな場所で音楽活動に取り組むことが出来ます。バンドメンバー募集にしても、今はメン募サイトやSNSなどで幅広く仲間を探すことが出来ますし、あるいはDTMとYouTube等を駆使して、インターネット上に活動の場を見出すことだってできます。

 

また、各所で展開されるセッションイベントに参加するのも、音楽の取り組み方の1つのアプローチになります。

(ただし、当ブログで警鐘を鳴らしている、ざんジャム」こと「ざんねんなジャムセッション」は、これはこれで別の重大な問題を抱えていますので、くれぐれもご注意ください)

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従来型の軽音楽部とは一線を画すサークルがある大学も…

なお、大学の中に、従来型の、古くさくて反社会的な軽音楽部しかないのであれば、大学内での活動に見切りを付けるしかありませんが、一部の大学においては、こうした「従来型の軽音楽部」のノリについていけないけれど音楽活動が大好きなメンバーが、別の軽音サークルを立ち上げている事例もあります。

 

大学に公認された「部活」と、学生の自主的な活動である「サークル」の差はありますが、自主的な活動である分だけ活動のあり方も緩やかですし、前述のような経緯で立ち上がっているサークルの場合、飲み会等もきわめて健全に行われていることが一般的。

 

もし、大学内に軽音楽部のほかの軽音サークルがあるようであれば、そちらの雰囲気を見てみるのも一つの手だと言えそうです。

 

そもそも未成年の飲酒は違法です

なお、ここまで「新歓コンパ」の悪ノリについて話を進めてきましたが、そもそも未成年の飲酒は「未成年者飲酒禁止法」という法律により禁止されています。

 

この法律の立て付けは、飲酒をした未成年を罰するというものではなく、むしろ未成年の健全な育成を阻害する周辺の大人を罰するもの。条文を少し見てみましょう。

 第一条 満二十年ニ至ラサル者ハ酒類ヲ飲用スルコトヲ得ス

○2 未成年者ニ対シテ親権ヲ行フ者若ハ親権者ニ代リテ之ヲ監督スル者未成年者ノ飲酒ヲ知リタルトキハ之ヲ制止スヘシ

○3 営業者ニシテ其ノ業態上酒類ヲ販売又ハ供与スル者ハ満二十年ニ至ラサル者ノ飲用ニ供スルコトヲ知リテ酒類ヲ販売又ハ供与スルコトヲ得ス

○4 営業者ニシテ其ノ業態上酒類ヲ販売又ハ供与スル者ハ満二十年ニ至ラザル者ノ飲酒ノ防止ニ資スル為年齢ノ確認其ノ他ノ必要ナル措置ヲ講ズルモノトス

第二条 満二十年ニ至ラサル者カ其ノ飲用ニ供スル目的ヲ以テ所有又ハ所持スル酒類及其ノ器具ハ行政ノ処分ヲ以テ之ヲ没収シ又ハ廃棄其ノ他ノ必要ナル処置ヲ為サシムルコトヲ得

第三条 第一条第三項ノ規定ニ違反シタル者ハ五十万円以下ノ罰金ニ処ス

○2 第一条第二項ノ規定ニ違反シタル者ハ科料ニ処ス

第四条 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ関シ前条第一項ノ違反行為ヲ為シタルトキハ行為者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ対シ同項ノ刑ヲ科ス

 …ちょっと分かりにくいですね。要は

  • 「20歳未満の者は飲酒禁止」であること(第1条第1項)
  • 未成年者自身が飲酒することを知りながら、未成年者に対して、酒類を販売・供与した営業者に対して、50万円以下の罰金を科すこと(第3条第1項)
  • 未成年者の飲酒を知って制止しなかった親権者や監督代行者に対して、科料を科すこと(第3条第2項)

が本件におけるキモかな、と思います。

 

ですので、そもそも新歓コンパで未成年者である新入生に飲酒させることは違法であり、本来、先輩方はそうならないように場をコントロールすべきもの。

 

にもかかわらず、20歳未満の新入生にお酒を強要するようなことは、アルハラの視点と適法性の観点の双方から不適切だと言えます。

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【まとめ】古くさい軽音楽部に引導を渡し、「音楽を楽しむ」軽音楽部へ…

今回の記事では、さまざまな軽音楽部で見られる、お酒の強要や常軌を逸した悪ノリ等といった、飲み会での不適切な行為を許容してしまう文化に着目し、これが新入生やお酒の苦手なプレイヤーにとって、非常につらい空気を作り出してしまう点について考察しました。

 

音楽が好きで軽音楽部に入ろうとしたのに、こういった「お酒のノリ」についていけず、音楽の道を断念してしまうのは、あまりにもったいなく、そして悲しいものです。

 

もしこういったノリに心当たりのある軽音楽部の先輩方にあっては、そうしたノリが音楽文化の衰退の一翼を担っていることを自覚し、お酒のノリにかかわらず音楽活動に取り組めるような軽音楽部になれるよう、ぜひ組織文化を改めていっていただきたいと思います。

 

そして、不幸にして、大学の軽音楽部がこんなのしかなかった新入生の皆さん。大学の中で活動ができないことは大変残念ですが、音楽活動の場は、大学の軽音楽部だけではありません。健全な軽音サークル、ネット等を通じたメンバー募集、オンラインプレイヤーとしての活動など、最近は活動のフィールドは多岐にわたっています

 

従来型の軽音楽部に入って心身を消耗するくらいなら、自分に合った、やりやすいやり方で音楽活動を続ける方が、きっと今後の音楽人生が幸せになること、間違いなしです。

 

ムチャクチャなお酒のノリを強要し、音楽以外の要素で音楽活動のハードルを上げてしまうような、昔ながらの軽音楽部には、そろそろ引導を渡さなければなりません

 

どうか、大学での音楽活動が健全になり、未来を担う若いミュージシャンの卵の方々が、健全に音楽に取り組める環境が生まれるよう、私も心から、願っています。