本日は、VANZANDT(ヴァンザント)のストラト向けピックアップ、True Vintageについてレビューしてみようと思います。
- ヴァンザントのストラト向けピックアップに興味がある
- True Vintageのサウンドの傾向を知りたい
- モダン寄りのヴィンテージサウンドが好みだ
- ストラトで早弾き向きのPUを探している
もくじ
ヴァンザントのピックアップ
リプレイスメントピックアップといえば、セイモア・ダンカンやディマジオが定番となっている中、このヴァンザントも、ストラト系を中心に、非常に良質なピックアップをたくさんリリースしている、定番メーカーの1つです。
とりわけ、同社の看板商品の1つでもある、このTrue Vintageについては、あのスティーヴィー・レイ・ヴォーンも愛用しており、多くのファンを抱えているピックアップです。
50年代ストラトを指向するサウンド
そして、このTrue Vintage、その名のとおりヴィンテージ指向に振った音作りが1つの特徴になっているわけですが、とりわけ、50年代ストラトをイメージしたものとされています。
アルダーボディにメイプルネック、スモールヘッドのストラトキャスター。これに搭載すると、メイプルネックの明るいサウンドを際立たせつつ、ストラトのウィークポイントとされてしまう耳の痛い高域をしっかり抑えて、非常に扱いやすいサウンドにしてくれる…。
このあたりの扱いやすさが口コミ等で広がり、多くのユーザーに指示されている要因になっているのでしょう。
実際に弾いてみると…不思議!太いのに繊細
さて、そんなTrue Vintage、実際に弾いてみると…。
まず最初に感じるのが、ストラトらしい繊細さ。とはいえ、「線が細い」みたいな単純な細さではなく、ストラトの持つ上品な部分を、きめ細かく表現してくれるようなサウンドです。
そして、しばらく弾いていて思うのが、前述の表現と少し矛盾するようにも感じるのですが、「音が太い」ということ。特にコードストロークやカッティングのときに、ヴィンテージらしいサウンドを維持しつつも、サウンドに意外と力があって、非常にハリがあるような音を奏でてくれるような印象をうけます。
ですので、もしもヴィンテージに「細さ」とか「おとなしさ」を求めるのであれば、このTrue Vintageは少し雰囲気が違うかもしれません。
逆に、ヴィンテージらしさに興味を抱きつつも、実際にプレイする楽曲は割と元気めなものが多い、というバンドのギタリストさんには、非常にぴったりではないかな、と思います。
音の立ち上がりが早いので、早弾きプレイヤーにもオススメ
そしてこのピックアップ、とにかく音の立ち上がりが早いという、もう1つの特徴があります。ここはうまく数値化して表現するのが難しいのですが、ピッキングしてから音が鳴りきるまでの時間が、とにかく早い印象があります。
ですので、特にフルピッキングで早弾きをするようなギタリストさんにとっては、この立ち上がりの速さ、レスポンスの良さは非常に魅力的に感じるところかもしれませんね。
まとめ…ヴィンテージが好きだけどモダンな音楽を演奏するアナタへ
このように、このヴァンザントのTrue Vintage、名前からするとかなりのヴィンテージ指向であるように感じられますが、中身はヴィンテージの方向性を有しつつも、意外とモダンな一面も併せ持っているような印象です。
そのモダンな一面があるがゆえに、たとえば現代的な音楽の中でもしっかり使っていけるポテンシャルがありますし、一方でその中に溶け込ませると、「おっ、このギタリスト、ヴィンテージ系のギターが好きなんだろうな」と感じさせる説得力も感じさせてくれるのです。
こうしたことを踏まえると、やはりこのピックアップは、真に50年代ストラトをそのまま狙っていくというよりは、ヴィンテージの楽器を使って現代の音楽を演奏したいタイプのギタリストに、ピッタリはまっていくのではないかと思います。
ヴィンテージらしい繊細さを有しつつも、ハリのあるサウンドやレスポンスの速さのおかげで、モダンなサウンド、テクニカルなプレイにもしっかり対応してくれるポテンシャルの高さこそが、このTrue Vintageの魅力です。
そんなTrue Vintageの二面性。ぜひ、多くの人に試していただきたいと思います。