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ローズウッドの代替材・パーフェローを「微妙」と感じるのはなぜだろう(2021年12月追記)

ローズウッド。

主にギターの指板として使われているほか、アコースティックギターのボディにも採用されている事例があるなど、ギターにおいて欠かせない木材として、これまでから広く認知されていました。

今回は、そのローズウッドに対する規制と、その代替材の有力候補、パーフェローについて考えてみようと思います。

この記事はこんな人にオススメ
  1. パーフェロー指板に対する評価を聞きたい
  2. なぜパーフェロー指板の評価が微妙なのか教えてほしい
  3. パーフェロー指板は、ローズウッドの「代替材」なのか知りたい
  4. パーフェロー指板の評価を高めるための取組を考えたい

ワシントン条約におけるローズウッドへの規制

これは既に各所でたくさん記事にされているので、おさらい程度に。

2017年、ワシントン条約により、国際間取引が規制され、ローズウッドは輸出入が制限されることになってしまいました。

その条約の詳細はここでは語りませんが、要は何が起こったかというと、今後、ローズウッドを使用した製品を輸出入する場合、「適正に伐採されたものである旨を証明する書類」が必要になる、という手続き面でのハードルが課されることになっています。

※ちなみに、これらの詳細については、JETRO(日本貿易振興機構)のホームページに詳しく書かれています。

ローズウッドを使用した楽器の輸出手続き:日本 | 貿易・投資相談Q&A – 国・地域別に見る

使用禁止ではありませんが…コスト増が価格へ転嫁されます

ですので、「ローズウッド使用禁止」というふうになったわけではありませんが、使用製品の輸出入において、これまでになかった手続きが追加されることとなり、コストが増加することになってしまったわけです。

そして、コストが増加するということは…それが製品価格に跳ね返ってしまう、ということ。

分かりやすい例として、フェンダーのアメリカン・プロフェッショナルシリーズのストラトでは、ローズウッドとメイプルで、5,000円程度の価格差がついています。

仮にコスト増の影響が5,000円程度ということなら、たとえばフェンダー・カスタムショップやPRSのような、もともと高額なギターであれば、全体の価格設計の中で消化しきれる面があると思いますが、この問題がやっかいなのは普及価格帯の楽器です。

代替材・パーフェローの台頭

そこで、普及価格帯のギターに、ローズウッドの代替材として使われるようになったのが、パーフェローという木材です。

パーフェローは、別名を「ボリビアン・ローズウッド」といいます。見た目や質感もローズウッドに非常に似ており、かつ入手しやすい木材であることから、今回のワシントン条約規制以前から用いられてはいたものの、今回、急激に注目度が高まってくることとなりました。

また、そのサウンド面については、硬質で立ち上がりの速い音という特徴があり、こちらはローズウッドというよりは、むしろ高級ギターによく使われているエボニーに近い特徴があるなど、積極的に評価できる要素もある「はず」の木材です。

実際、数こそ多くありませんが、高額な楽器の中にもパーフェローが採用されている事例はあります。

一般消費者レベルでパーフェローを「微妙」と感じる理由

ところが、そのような興味深い木材であるにもかかわらず、楽器屋さんの店頭やお客さまのレベルでは、パーフェローという木材について「微妙」という反応をされることが多いような印象を受けます。

楽器屋の店員さんも、前述のような売り文句で、積極的にパーフェローの良さを語るものの、どことなく自分にウソをつきながら話しているような印象を受けます。

なぜ、パーフェローを「微妙」と感じるのでしょうか…。

【理由1】「低価格ギター」の印象が強くなってしまっている

現状、パーフェロー指板が採用されているギターは、フェンダーのPlayerシリーズや、ギブソンの廉価版ブランド・エピフォンで展開されている各種モデルなど、明らかに低価格帯のギターが中心です。

一方で、これらの上位モデル…たとえばフェンダーのアメプロシリーズや本家ギブソンブランドでは、きちんとローズウッドが使われています

ですので、前述の「パーフェローの素晴らしさ」をどれだけ一生懸命語られたところで、「でも、上位モデルには使われてねーじゃん」という反論に打ち勝てないのです。

ですので、各メーカーは、中長期的な視点に立ち、パーフェローを上位モデルにも積極的に採用していかないと、いつまでたっても「パーフェロー=安物」の先入観を取り払うことができないのではないかと感じます。

【理由2】ローズウッドと比べると色が薄い…それが安物感を演出?

たとえば、パーフェロー使用ギターの代表選手であるフェンダーのPlayerシリーズは、多くの場合、楽器屋さんで日本製フェンダーやアメプロなどの近くに置かれているものですが、これらを見比べてみると、Playerシリーズの指板は、ローズウッド使用の日本製フェンダーやアメプロと比べて、明らかに色が薄く感じます。

「色の薄さ」それ自体は別に個性の範囲内だと思うのですが、前述の「安物」先入観にいったんつかまってしまうと、この「色の薄さ」も、「安物っぽさ」を引き立てるネガティブな要素に見えてしまいます。

ほとんど言いがかりに近いレベルなのかもしれませんが、そんな次元の話であっても、消費者の購入行動には影響を与えてしまいかねません。

【理由3】「パーフェロー」という語感が悪い?

これは前述の理由以上に言いがかりみたいなトピックスなのですが…

「パーフェロー」という語感に、どことなく安っぽさを感じてしまうような気がしませんか?

「ローズウッド」という濁音混じりの重厚な語感に比べると、どうしても「パー」という音から始まるこの木材に、チープさを感じてしまうのは、日本語の特性上、やむを得ないような気がします。

「ボリビアン・ローズウッド」なら、そうはならないんですけどね…。

【まとめ】パーフェローを普及させるために、メーカーは一工夫を

このように、ローズウッドの使用が難しくなってきている中、代替材として登場してきたパーフェローの魅力と、一方で過小評価されてしまっている要因について考察してみました。

今後、中長期的に見て、従来のローズウッドを、従来通りに使っていくことは難しいと考えられます。ですので、代替材へのシフトを、消費者・ユーザーも受け入れていかなければなりません。

ただ、消費者サイドには、ローズウッドへの慣れ親しみが非常に強くすり込まれているのが現状。

そうした中、メーカーはパーフェローを「安物」であるかのような売り方をしてしまっており、これでは消費者がうまく代替材に移行してくれるとは思えません

私たち消費者の意識改革ももちろん必要ですが、メーカーさんにも、パーフェローがうまく普及していくよう、マーケティング戦略に一工夫してくれるといいんじゃないかな…と思います。

※ちなみに、フェンダーの人気商品・Player Plusシリーズの各種楽器には、指板にパーフェローが採用されています。このくらいの価格帯のギターにパーフェローが載ってくると、少しずつイメージも変わってくるかもしれませんね。

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