ギタリスト・かとうたかこの音楽ブログ

楽器レビューのほか、音楽をテーマにブログを書いています。

【レビュー】Gibson Les Paul Classic 2018…P-90搭載の、ひと味違うレスポール。

本日は、ギブソンの定番ギター・レスポールの2018年モデルである、「Gibson Les Paul Classic 2018」についてご紹介させていただこうと思います。

 

 

Gibson Les Paul Classicの位置づけ

ギタリストなら誰もが憧れるギター、それがギブソンのレスポールです。

 

しかし、そんなギブソンのレスポールも、よく見るといろんなラインナップがあり、その特徴は、一般的なスタンダードモデルでも、次のような広がりを見せています。

  • レスポール・スタンダード:その時その時で、ギブソンがベストだと思うレスポールが投入されているのがこれ。
  • レスポール・トラディショナル:1958年~1959年あたりの、ヴィンテージレスポールをモチーフにしているモデルです。
  • レスポール・クラシック:過去のモデルをモチーフにしつつ、細いネック(スリムテーパー)を採用したモデル。具体的にどの年代をセレクトしているかについては、モデル年度ごとに異なります。
  • レスポール・デラックス:ミニハムを搭載したレスポール。
  • レスポール・スタジオ:サウンドに影響を与える部分は上位モデルと同等ながら、装飾をシンプルにし、低価格化を実現したモデル。
  • レスポール・トリビュート、フェイデッド:上記「スタジオ」より、より装飾をシンプルにし、さらなる低価格化を図ったモデル。

といったところです。

 

今回ご紹介するのは、この中の「クラシック」から、2018年にリリースされたモデルを選んでいます。

 

2018年モデル「レスポール・クラシック」の特徴

さて、そんなGibson Les Paul Classic 2018の特徴を、見ていきましょう。

 

まず、これはこのモデルに限らず、レスポールのスペックに概ね共通することではありますが、ボディはメイプルトップのマホガニーバックが基本。ネックはマホガニーのものにローズウッド指板が貼られているのが基本となります。

 

その上で、この「2018年レスポール・クラシック」の特徴なわけですが、概ね下記の点が挙げられると言えるでしょう。

 

細めの「スリムテーパー」ネック

レスポールといえば、ネックが割と太めなことで知られているギターですが、このクラシックシリーズについては、「スリムテーパー」と呼ばれる、細いネックが採用されています。

 

細いネックはプレイアビリティが高く、特に早弾き系のギタリストにとっては非常に扱いやすいもの。レスポールがハードロック系のジャンルで愛用されている中、そうした音楽性を指向するギタリストの方には、非常にありがたい仕様になっています。

 

ピックアップにP-90を採用

一般的なレスポールといえば、多くの人がハムバッカーを想像するところですが、この「2018年レスポール・クラシック」には、P-90が搭載されています。

 

実は、それまでのレスポール・クラシックは、概ね1960年頃の、ピックアップからカバーを外したスタイルのものがモチーフにされていたわけなのですが、この2018年モデルで大きく方針転換し、モチーフが1956年~1957年のものになっています。そして、まさにその頃のレスポールに搭載されていたのが、このP-90だったわけなのです。

 

ウェイトリリーフの非採用…ボディは重い

レスポールの特徴としてよく言われるのが、良くも悪くも「重い」ということ。

 

レスポールのモデルの中には、自分の身体にかかる負担を軽減するため、「ウェイトリリーフ」といって、ボディの中をくりぬいて軽量化をしているものがあります。外見上のレスポールらしさをそのままに、軽くなったボディを手にできるというのは、非常にありがたい話ではありますが、一方で「あの重さがあってこそのレスポールサウンド」というような意見もあります。

 

そうしたさまざまな意見がある中で、この2018年レスポール・クラシックが選んだ答えは「ウェイトリリーフの非採用」。

 

そのため、このレスポール、はっきり言って、非常に重いです。一般的に「P-90搭載ギターといえば、ギターボーカル向けの、扱いやすくて軽いギター」というふうに思われたがちですが、そんな甘い考えを根底から覆すほどの、圧倒的な重量感が、ストラップ越しに伝わってきます。

 

ここ、よく誤解されるところですので、特にギターボーカルさんが導入を検討されるときには、試奏の際に、その感触をしっかりつかんでおかれることをオススメします

 

サウンドは…甘くて優しく、歪ませても抜けが良い!

さて、そんな2018年レスポール・クラシック、サウンドはどのようなものでしょうか。

 


Gibson USA / Les Paul Classic 2018 Pelham Blue【イシバシ楽器梅田店】

 

レスポールといえば、ハードロックをイメージされる方も多いようですが、もともとはジャズギターとして親しまれてきたようなところもあり、そんな音楽によくマッチする、クリーン時の甘くて柔らかい音色も、魅力の1つ。

 

そんな甘い柔らかさが、P-90ピックアップの特性と相まって、このギターでは、特に強く出てきているような感じがします。

 

一方で、しっかり歪ませたときのサウンドも、また魅力的だったりします。


Gibson Les Paul Classic 2018 Electric Guitar

 

P-90も、基本的にはシングルコイルのピックアップということになりますので、シングルコイルらしいサウンドの鋭さを一定有していることになりますが、その鋭さがあるがゆえに、ハムバッカータイプのレスポールよりもサウンドの抜けが良いです。

 

特にバンドサウンドに持ち込んだときに、非常にしっかりとギターサウンドが主張してくれます。この心地よさ、一度味わうと、やみつきになること間違いなしです。

 

【まとめ】古くて新しいレスポール。ぜひ一度、実戦投入を!

このように、このGibson Les Paul Classic 2018についての評価・特徴をまとめると、

  • P-90搭載の、非常に重いレスポール
  • スリムテーパーネックにより、プレイアビリティは高い
  • サウンドは柔らかさと抜けの良さを併せ持ち、バンドサウンドとの相性抜群

といったところになろうかと思います。

 

P-90の搭載にとにかく目が行きますが、ボディの重さ、そしてプレイアビリティの高さも大きな特徴です。

 

これらの特徴すべてに共通することではあるのですが、これらすべて、長所になるか短所になるかが、人によって大きく異なります

 

重いボディも、ギターボーカルさんにはつらいかもしれませんが、「この重さがあってこそのレスポール」という人もいるでしょう。P-90ピックアップにしても、ハムバッカーほどのパワーを持たない点に懸念する人もいれば、シングルとハムの中間的な位置づけとして好意的に評価する人もいます。

 

ただ、一つ言えるのは、このギター、1957年以前の古いレスポールのスタイルを、相当程度強く反映されて設計されているということ、ある意味、「みんなの声を聞いて設計しました」というよりは、「これが古くからのレスポールです」という考え方の方が強いように思います。

 

このギターが「クラシック」を名乗っているのは、まさに、そこでしょう。

 

基本的な考え方は「クラシック」ですが、だからこそ、今のバンドサウンドに持ち込むと、逆に「モダン」になるかもしれません。

 

そんな、古くて新しい2018年モデルのレスポール・クラシック。ぜひ多くのバンドで、実際に使われているのを見てみたいところですね。