ギタリスト・かとうたかしの音楽ブログ

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【レビュー】Fender Made in Japan 2018 Limited Collection 60s Jazz Bass

本日は、日本製フェンダーの最上位機種となるジャズベース、「Made in Japan 2018 Limited Collection 60s Jazz Bass」について、レビューさせていただこうと思います。

 

 

日本製フェンダーの最上位機種

これまで、日本製フェンダーについては、ヴィンテージ指向のTraditionalシリーズと、ヴィンテージ楽器をモチーフにしつつ、現代的なアレンジを加えたHybridシリーズ、そして最近リリースされた、かなりモダン指向に振ったModernシリーズと、大きく3つのラインナップがあることをご紹介してきました。

 

そうした中で、この「Limited Collection」シリーズは、それら3つのラインナップを超えたところに存在する、その名のとおり「限定」の位置づけにあります。

 

今回ご紹介するのは、その中から、60年代ジャズベースを意識して設計したモデル、ということになります。

 

厳選パーツにラッカー塗装

さて、そんな「Limited Collection」のジャズベース。仕様を見ていきましょう。

 

まず、ボディ材はアルダー、ネックはメイプル、指板はローズウッド。コントロール系は、2ボリュームの1トーンと、典型的な60年代ジャズベースの仕様です。

 

ただし、同じ60年代ジャズベースを指向する日本製フェンダーのTraditionalシリーズは、ボディがバスウッドとなっているのに対し、こちらのLimited Collectionでは、本当の60年代ジャズベースと同様にアルダーが採用されています。ですので、こちらの方が、より本格的に60年代ジャズベースに寄ろうとしていると言えるでしょう。

 

また、これらのパーツについても、Limited Collectionシリーズについては、1つ1つ、厳選されたものが採用されているとのこと。たとえば、木材の選定についても、かなりこだわられているようですので、これらが楽器のクオリティを相当に高めている点は、しっかり理解しておかなければいけません。

 

これに加え、Limited Collectionをリミテッドたらしめている大きな特徴が、塗装面。通常の日本製フェンダーで用いられているポリ塗装ではなく、このLimited Collectionシリーズにおいては、オールラッカー塗装が採用されています。

 

ラッカー塗装、扱いに少し留意しなければならない面はありますが、ラッカー塗装の雰囲気もまた、高級感を醸し出しており、所有欲を大幅に高めてくれますし、このラッカー塗装に起因する「木の鳴り」の良さは、サウンドに与える影響も少なくありません。

 

ピックアップはAmerican Vintage 64 JazzBass

サウンドに大きな影響を与えるピックアップについては、USA製のAmerican Vintage 64 JazzBassが搭載されています。

 

このあたりも、標準的なピックアップが搭載されている、既存のTraditionalシリーズとは大きな違いだと言えるでしょう。

 

比較的リーズナブルな日本製フェンダーの楽器を買い、ピックアップをアレンジして自分好みの楽器に仕立てていく…というのも楽器の楽しみ方の1つではありますが、だっったら初めから上質なピックアップが搭載された楽器を買えば良いとの考え方もあり、そのLimited Collectionシリーズは、まさにその考え方に沿うものになっています。

 

サウンドは…旧来の日本製フェンダーともUSAとも違う、上質な雰囲気

さて、そんなLimited Collectionシリーズのジャズベース、サウンドはどうか。

 

残念ながら、サウンドの雰囲気が分かりやすい動画が見当たらないので、私が試奏した印象を定性的に述べるにとどまるのですが…。

 

まず、第一印象としては「おっ、上質な感じ」という手応えを感じることができます。

 

このベース、先述のように、随所に厳選されたパーツが使われている上、ラッカー塗装で仕上げられており、また組み込みも非常に丁寧なので、手にしたときの工業製品としての印象も「上質」に感じられるのですが、その印象が、まさにサウンドにも表れている印象です。

 

そして、この上質さは、Traditionalシリーズのサウンドの印象とは、明らかに異なります。Traditionalシリーズは、良くも悪くも「無難な音」という感じで、ジャズベースらしい雰囲気をしっかり出しているとはいえ、どこか守りに入った印象を受けるところがあるのですが、このLimited Collectionシリーズには、そうした「守り」の感じが一切ありません。

 

一方で、よく日本製とUSA製のジャズベースを比較したときに、よく「日本製は薄皮に包まれたサウンド、USA製は生々しく暴れるサウンド」というようなことを言われますが、このLimited Collectionシリーズについては、USA製の「生々しく暴れる」という感じは、あまり感じません。そういった意味では、ベーシックな部分では「日本製らしいジャズベース」でありつつも、そこを徹底的に洗練させていき、上質なジャズベースに仕上げていった、といったところなんだろうと思います。

 

価格は18万円前後…アメプロが視野に入るが、サウンドの違いに着目を

さて、このLimited Collectionシリーズ、価格は実売ベースでおおむね18万円前後。日本製フェンダーの最高峰に位置するラインナップだけあって、一般的な日本製フェンダーと比べると、さすがに価格は少しお高めです。

 

このくらいの価格になってくると、20万円弱が実売価格となっている、USA製のアメリカン・プロフェッショナルシリーズのジャズベースも視野に入ってきます。

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とはいえ、同じフェンダーのジャズベースとはいえ、これら両者は指向するものが結構違います

 

60年代ジャズベースにできるだけ近いものを手にしようと思えば、日本製のLimited Collection。逆に、モダンなサウンドを指向するのであれば、USA製のアメプロ。

 

このように、どのようなサウンドを指向するかをしっかり自分の中で整理すれば、自ずとどちらのベースを買えば良いかが決まってきそうな印象を受けます。

 

【まとめ】ジャズベースで感じる、日本製の「巧」の技。

このように、この日本製フェンダーの最高峰に位置するLimited Collection 60s Jazz Bassについては、60年代ジャズベースをモチーフにしたベースを、日本人ならではの「巧」の技で、見事に作り上げたという印象を受けます。

 

厳選されたパーツに、しっかりとした組み込み…。このあたりのクオリティの高さは、まさに日本製ならでは。それを、「フェンダー」ブランドとして手にすることが出来るのですから、このあたり、まさに日本製フェンダーの強みが遺憾なく発揮されているといったところでしょう。

 

そして、サウンドも、USA製の暴れる感じというよりは、どちらかというと日本製らしい、穏やかで上質な雰囲気。このあたりも、このベースの1つの特徴です。

 

ものづくりの国・日本で磨かれた「巧」の技を味わえる、日本製フェンダーのジャズベース

 

それが、「Made in Japan 2018 Limited Collection 60s Jazz Bass」。

 

非常に貴重な楽器だと思いますので、もし興味がありましたら、ぜひ、ご検討いただければと思います。