ライブ

大阪府の「ライブハウス感染防止ガイドライン」を読み、考えたこと。

新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言は、先日2021年5月25日をもって、全国的に解除されました。

今後、地域によって様子は異なりますが、総じて少しずつ、経済活動が行われるようになってくることでしょう。

そうした中、音楽に取り組む者として、気になるのが「今後のライブハウスのあり方」。今回は、大阪府が示した「ライブハウス感染防止ガイドライン」を読みながら、今後のライブのありようについて考えてみようと思います。

この記事はこんな人にオススメ
  1. コロナ禍におけるライブ運営について考えたい
  2. 「ライブハウス感染防止ガイドライン」について知りたい
  3. 実はライブの習慣の中に非合理なものがあると思っていた
  4. 今日的な視点でライブ運営のあり方を考えたい

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大阪府が示したガイドライン

新型コロナウイルス感染症に係る各種取組で、強いポリシーを持ち、強力なリーダーシップを発揮しながら対策を進めている、大阪府の吉村洋文知事。

多くの人が自粛要請の解除に尻込みする中、「このままでは違う形で人の命が失われる」との考え方のもと、国に先駆けて、経済活動の再開に関する考え方を示し、日常の経済生活が送れずに困っている人々の光となりました。

一方で、ライブハウスについては、過去にクラスターを発生させたという経緯があったのも事実。

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そうしたことから、自粛要請解除後ただちに…というわけにはいかず、例外的に自粛要請が続いていたのですが、5月28日の大阪府新型コロナウイルス対策本部会議において、ライブハウスにおいては、適切な感染症対策が行われることを前提に、自粛が解除されることとなりました。

第18回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議

その感染防止の考え方を示したのが、「感染拡大予防にかかる業種別暫定ガイドライン(ライブハウス)」(以下、「ライブハウス感染防止ガイドライン」といいます)。

これについては、上記リンク先にも資料が掲載されておりますので、ここはぜひ、元となる会議資料も読んでいただければと思います。

以下では、このライブハウス感染防止ガイドラインから、特徴的なところをピックアップして、これを踏まえるとどのようなライブになるのか、少し考えてみようと思います。資料本文中、1ページ目から2ページ目にかけては、各施設ガイドライン共通なので省略し、3ページ目以降から見ていきます。

ライブは着席、あるいは最低1mを確保

まず、序盤に登場するのが、次の記載。

施設内は原則着席とする。着席が難しい場合は、客同士の距離(できるだけ2mを目安に(最低1m))を確保すること。

よく報道やTwitterなどで切り取られているのが、この「着席」のくだり。確かに、ライブハウスは通常スタンディングであることが多いので、「えっ、ロックバンドのライブが着席なんてあり得るの?」というふうに、懐疑的な目で見ることを煽るような雰囲気がありました。

確かに、ロックバンドのライブであれば着席は珍しいのですが、一方でアコースティックな音楽を売りにしているライブバーなどでは着席が標準的だったりするので、ここは音楽ジャンルによって評価が変わってくるところです。

また、「ロックバンドであれば着席は珍しい」と言いましたが、一方で、長時間にわたってスタンディングでライブを見るというのは、実は結構体に負担がかかる行為で、特に体力の衰えが出始める世代の方や、あるいは妊婦さんなどにとってはかなり過酷な環境だったと思います。

これを機に、「ライブハウスはスタンディングが原則」というところを、もう少し見直して見ても良いのかもしれません。

ステージと客席の間の透明カーテン

そして、ステージと客席の間には、このようにすることを求めてきています。

飛沫感染防止のため、ステージと客席の間は2m以上確保すること。又は透明なアクリル板や透明ビニールカーテン等で遮蔽すること。

最近はお店のレジやカウンターで見かけることがおなじみになった、透明カーテン。これをライブハウスのステージ前にも設置するように、とのこと。

臨場感が若干失われるような気がしますが、ヴォーカルの歌声による飛沫感染防止という視点に立つと、一定やむを得ない措置なのかもしれません。

ちなみに、この透明カーテンについては、本ガイドライン公表前から設置に取り組んでいるライブハウスさんがいくつかあるようですね。

これ、できる?オンラインチケットやキャッシュレス決済…

そして、チケット販売や物販では、次のようなことが求められています。

現金の取扱いをできるだけ減らすため、オンラインチケットの販売やキャッシュレス決済を推奨。

国の専門家会議が示す「新しい生活様式」でも推奨されているキャッシュレス決済。ただ、導入にはそれなりのコストがかかるのも事実。

多くのライブハウスでは、現金決済が通常ですし、ましてやアーティストさんの物販や個別チケットの販売においては、キャッシュレス決済は非現実的なように思います。だからこその「推奨」止まりだと思うのですが…ここはちょっと議論があるかもしれません。

とはいえ、時代の流れ的には、完全にキャッシュレスを推進する方向に進んでいます。全く対応しない、というのも、利用者の立場からすると、利便性を損なってしまっているような印象を受けてしまいます。

チラシ配布は手渡しを避ける…?

ライブ会場で多くのアーティストさんが行っている宣伝についても、注意喚起がなされています。

パンフレット・チラシ・アンケート等は極力手渡しによる配布は避けるようにすること。

多くのライブハウスにおいて、入場時にさまざまなチラシ・フライヤーが手渡されたり、またアーティストさんが物販の場所でチラシを配ったりしている光景は、この業界の日常なわけですが、こうしたチラシの手渡しについても控えるように、とのこと。

これも、これまで当たり前になっていたライブハウスの文化に「No」を突きつけているような構図になっていますが、一方で冷静に考えると、あの受付で手渡らせる大量のフライヤーって、実は皆さん、そんなにちゃんと見ていない…というか、実はライブ鑑賞時に邪魔になっていたりしないか、とふと思ったりもします。

今回のガイドラインをきっかけに、「そのチラシ、本当に必要?」という議論をしてみても良いかもしれません。

【まとめ】厳しいけれど…実は非合理な文化を見直すチャンス!

このように、大阪府が示した「ライブハウス感染防止ガイドライン」、全体的にこれまでライブハウスにおいて当たり前のように行われていた文化・慣習の一部について、専ら感染症対策の視点から見直しを求めてきているような内容になっています。

もちろん、自粛要請解除直後ということもありますので、これまでの自粛の中で得た新型コロナに関する知見を活かしつつ、慎重にライブを再開するためには、こうした取組を行いながら、少しずつ元の形に戻していくことができれば良いのだろうと思います。

一方で、今回のガイドラインを見ると、実は今まで漫然と「当たり前」だと思っていたライブハウスの文化には、見直すべきポイントがあるのではないかとも思ったりします。

年齢や体力、身体的状況にかかわらないスタンディングの強要。

遅々として進まないキャッシュレス決済。

あまり見られていないチラシ・フライヤーの強制手渡し。

思えば、今回の新型コロナを通じて、社会は「通勤ラッシュ」「意味の無い会議」「はんこ文化」など、漫然と続いていたビジネス上の慣習が、実は非合理であることに気づきました。新型コロナ終息後においても、こうした気づきを活かした取組を進めようとしています。

ライブハウス、音楽業界も、それは同じなのかもしれません。

今回の「ライブハウス感染防止ガイドライン」が、これまで当たり前であった、ライブハウスの非合理な文化を見直すきっかけになりつつ、そうした見直しを通じて、ライブハウスの良さが、今後も引き続き維持されていけば良いな、と思います。

またいつか、ライブハウスにかつての盛り上がりが蘇ることを祈りつつ…。

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