ギタリスト・かとうたかこの音楽ブログ

楽器レビューのほか、音楽をテーマにブログを書いています。

違法なだけじゃない!路上ライブがダメな3つの理由

路上ライブ。

 

SSWさんにとっては、華々しいステージの1つだと解釈する向きもあるようですが、当ブログでは、「路上ライブの違法性」について、法的な視点で整理した上で、その問題点について指摘をさせていただいています。

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しかし、そもそも路上ライブをやってはいけない理由を「違法だから」の一言で片付けて良いものでしょうか。本日は、路上ライブの何がいけないかについて、法的な視点以外の面を中心に考えてみようと思います。

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議論のきっかけは某SSWさんのTwitter

私が、路上ライブの問題点について、法的な視点以外の視点で考えてみようと思ったきっかけは、少し前になされた、とあるSSWさんのTwitterでの投稿でした。ご本人の名誉のために、そのまま引用することは避けますが…

 

日本ではストリートライブをするとすぐに違法だ何だと言われるが、海外ではそうではなく、多くの人が気軽に音楽を楽しめている。だから海外は素晴らしい。

 

とまあ、こういう趣旨の投稿だったわけですが、私はこの投稿を見たときに、いくつかの疑問を抱きました。

  • 路上ライブをやってはいけない理由は、「違法だから」だけなのか。
  • 路上ライブは本当に「多くの人が気軽に音楽を楽しめている」のか。
  • 路上ライブができるということは、本当に素晴らしいことなのか。

 

おそらく、当該投稿を行った者は、「法律みたいな堅苦しいものにとらわれることなく、みんなが音楽を気軽に楽しめれば良いのに」という、ごくごく純粋な発想でこうした主張に至ったのだろうと推測されるところですが、気持ちが純粋であればあるほど、こうした主張はやっかいになりがちです。

 

路上ライブが迷惑な理由 

ということで、これから、「路上ライブがダメな理由」を、あえて法的な議論から離れて考えていくことにします。

 

【理由1】通行の邪魔になる

路上ライブというのは、その名のとおり、「路上」で行われるものです。「路上」、すなわち「道路の上」なわけですね。

 

道路というのは、言うまでもなく、人や車両が通行するために整備された道のことです。

 

従って、道路というのは、人や車両がスムーズに移動できるための場所であって、決してミュージシャンが楽器や簡易PA機器を置いて、多くのお客さんを立ち止まらせるような場所ではありません

 

路上ライブをすることは、こうした「道路の本来の役割」を妨げることになります。道路を道路として使っている人にとって、路上ライブは「邪魔」でしかないのです。

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点字ブロックを塞いでいるパターンも…

なお、普通に往来の邪魔となっている路上ライブだけでも十分に迷惑なのですが、中には点字ブロックを塞いでしまっている、とんでもない路上ライブもしばしば見かけます。

 

ミュージシャンの方の楽器や機材が点字ブロックの上に置かれているパターンもありますし、お客さんが点字ブロックの上に滞留してしまっているパターンもありますが、いずれにせよ、視覚障害者の方が外出する際に必要不可欠な点字ブロックを、路上ライブが使えなくしてしまっているというのは、大変に由々しき事態です。

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 【理由2】無関係の人にとっては騒音でしかない

路上ライブは、公共の場所で音楽を演奏しているというその性質上、その演奏がお客さん以外の、一般の通行人たちの耳にも届くことになります。

 

ミュージシャンの方にとっては、「今まで自分の音楽に興味がなかった人が、たまたま路上での演奏を聴いて、それがきっかけにファンになってくれる」などという期待を持ちながら歌っているのかもしれませんが、残念ながらそうはなりません。

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前述のように、圧倒的に多くの通行人は、道路を道路としてしか使っておりません。すなわち、「音楽以外の別の目的を持って、そこを通過している」に過ぎないのです。ですので、そこを通っている人が音楽を聴きたいと思っていたり、あるいは音楽に耳を澄ませる余裕があったりするかというと、多くの場合、そうではなかったりするのが現実です。

 

実際、私も仕事帰りの疲労困憊の状態で路上ライブを見かけることがありますが、そんな疲れているときに、聴きたくもない音楽を一方的に聴かされるというのは、はっきりいって不快でしかありません。

 

前述の話でいくと「これをきっかけにファンになってくれる」どころか、「これをきっかけにその人の音楽が大嫌いになってしまう」となってもおかしくないような事例です。

 

「自分の音楽を、通行人たちに聴かせたい」というのは、ミュージシャン側のきわめて身勝手な論理であり、多くの通行人にとって「その音楽は、騒音になってしまう」のが現実です。

 

たとえどんなに素敵な音楽であっても、聴きたくないときに聴かされると、それは騒音でしかありません。

 

「音楽」というふうに考えるから結論が歪んでしまいそうになりますが、「騒音」と言い換えることで、「騒音を不特定多数の人に聞かせる」という行為がいかに迷惑か…というのは、よく理解できるようになるのではないかと思います。

 

【理由3】正しく活動しているミュージシャンに対して失礼

路上ライブは、法的な視点、それ以外の視点、どちらをとって見ても不適切な行為なわけですが、多くのミュージシャンの方…バンドをやっている方にしても、SSWさんにしても、こうした点を十分に理解しています。

 

ですので、そうした方々は、ライブハウスやライブバー、あるいは地域のイベントなど、きちんとした「会場」で、きちんとした「お客さま」を前にして、素晴らしい演奏を披露してくれています。

 

そうしたルールを守って活動を行っているミュージシャンの方がいる中で、ルールを破って、音楽活動の場を不適切に広げていく行為は、そうした「まっとうなミュージシャン」の方々に対して、非常に失礼な行為です。

 

ルールを守った人がバカを見て、ルールを破って音楽活動を行う人が評価される…。このような不公平な状況は、決して許されるべきものではありません。

 

路上ライブに対する批判的な意見は、多くの場合、一般の通行人から上がってくることが多いものですが、こうした「まじめなミュージシャンがバカを見る」ような状況であることを踏まえると、もっとミュージシャンの側からも批判的な意見が上がり、プレイヤーたちの間で自浄作用が働いていく要素もあるのでは…と思っています。

 

「迷惑な理由」があるから「違法」になる

このように、路上ライブが迷惑な理由について、3点、整理をさせていただきましたが、このうち「理由1」「理由2」については、まさに「道路が道路としての役割を果たせなくなる」といった視点に立つものです。

 

そうした事態を回避すべく、道路交通法において規制がかかっている、というふうに考えることができます。

 

法律における規制というのは、別に誰かに対する嫌がらせのために行われるものではなく、公共の福祉を守るために行われるもの。ここに言う「公共の福祉」とは、「道路という公共物を、みんなで正しく使うこと」ですね。

 

路上ライブをやってはいけないのは、「違法だから」ではなく「迷惑だから」。「法律」は、それをみんなで共有できるようにルール化したものでしかないのです。

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路上ライブ予告を見かけたら…優しく指摘しよう

このように、路上ライブがダメな理由は、「違法だから」ではなく「迷惑だから」というふうに整理した方が、スッと理解できるわけなのですが、もしミュージシャンの方が、「今から路上ライブをします」と、「迷惑行為の実行宣言」をしているのを見かけたら、どうすればいいか。

 

個人的には、こういう行為については、ファンの方や仲間のミュージシャンの方が、その方が正しい音楽活動ができるように、優しく指摘し、問題点を正確に理解いただくのが、一番有効かな、と思います。

 

無関係な人に「路上ライブはダメです」と言われても、きっとその方は「ムッ」として終わってしまったり、あるいは「正義マンの絡む事故に巻き込まれた」などという評価をされてしまったりして、きっと正しく問題点が伝わらないことでしょう。

 

それよりも、身近なファンとか、仲間のミュージシャンの方に指摘される方が、きっときちんと伝わるはず。言いにくいことかもしれませんが、当該ミュージシャンの方が中長期的に正しく活躍できるようにする上で、避けては通れない道ではないでしょうか。

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言いにくいときは、この記事を無言でシェアしてください

なお、現実問題として、こういった苦言を呈しにくい人間関係というのも多々あり得ると想定されるところです。

 

そういうときには、たとえばこの記事をTwitter等でシェアしていただくなど、できるだけ「自分の意見ではない」感を出しながら、一般論としてこういう情報をさりげなく伝えていただくと、多少はマシになるのではないでしょうか。

 

その際、路上ライブ実施宣言の直後にシェアすると嫌らしく見えてしまうでしょうから、日頃からシェアしていただくなど、上手に伝わるタイミングでこの記事を使っていただければ、と思います。

 

【まとめ】路上ライブがダメなのは「迷惑だから」です

このように、路上ライブがダメな理由については、「違法だから」という理由で議論されることも多い中、この記事では、あえて法的な話ではなく、「関係の無い人にとっては迷惑だから」という、どちらかというとモラルの視点に立って、議論を展開してみました。

 

そして、そういう視点のもと「迷惑だ」という結論を得られると、法律で規制がかかってしまうことも、自ずとスッと理解できるようになります。

 

気がつけば、すっかり春。これから暖かくなるにつれ、路上ライブを見かける機会も増えてくることでしょう。

 

もし、身近に路上ライブで周りに迷惑をかけている人がいれば、ぜひこの記事をシェアして、問題意識をそっと共有していただければ、と思います。