ギタリスト・かとうたかこの音楽ブログ

楽器レビューのほか、音楽をテーマにブログを書いています。

音楽イベントに起因する新型コロナ感染拡大を防ごう【後編】

新型コロナウイルス感染症は、2021年10月末時点において、感染がかなり抑えられている状況にありますが、一方でいつリバウンドが起こり、第6波に巻き込まれてしまうか分からない状況にあります。

 

そうした中、私たち音楽にかかわる者が、音楽イベントで新型コロナの感染拡大を起こさないよう、何に気をつけ、何に取り組めばいいか…。

 

そんなことを考える、今回のブログテーマ。前回の「前編」では、総論的なお話をさせていただきましたが、今回の「後編」では、もう少し踏み込んだ、具体的な対策などについてお話をさせていただこうと思います。

 

まだ前編をお読みでない方は、ぜひまず、前編からお読み下さい。

 

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なお、今回も前回同様、記事の執筆にあたっては、国(内閣官房・厚生労働省)のホームページや、「業種別ガイドライン」における音楽系の業種に係る記載内容を参考にしているほか、保健所への取材を通じて作成している旨、申し添えます。

corona.go.jp

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感染対策のポイントは「濃厚接触者を出さない」こと

「前編」では、音楽にかかわる一部の人間が失墜させた信頼を取り戻すには、音楽にかかわる多くの人間の努力の積み重ねが必要で、そのために音楽イベントにおける徹底した感染対策の必要性があることを論じてきました。

 

で、ここから個別具体の対策についての話に入っていきますが、まず感染対策の基本として押さえておきたいことは、「濃厚接触者を出さない」ことを意識すること。

 

濃厚接触者とは

濃厚接触者は、新型コロナに感染した可能性が高い人のことで、保健所からPCR検査の受検を案内されるとともに、通常は最終接触日の翌日からは14日間、健康観察を行いながら外出を控えることを求められます。

 

濃厚接触者の定義は、国立感染症研究所の積極的疫学調査実施要領において定められていますが、簡単に言うと、新型コロナ陽性患者と、症状の出た2日前から

  • 同居
  • 長時間の接触
  • 1メートル以内でノーマスクで15分以上の接触

があった者のこと。

 

このような時は濃厚接触者になります

最終的に濃厚接触者になるかどうかは、保健所が疫学調査を行うことで決定されますが、一般論として、音楽関係では、次のような事例はほぼ濃厚接触者になると言って良いでしょう。

  1. 陽性者がいる状態でスタジオ練習やライブをしたときのバンドメンバー
  2. ライブ後の打ち上げで、陽性者とともに飲食をした出演者、観客
  3. 陽性者とともに車で長時間の遠征をしたときの同乗者
  4. 3密状態のライブハウス内にいた者

1.〜2.は、「ノーマスクで接触」になるパターンです。多くの場合、スタジオやライブでの演奏中はマスクが外れるでしょうし、飲食時も当然にノーマスクになりますので、濃厚接触者になることが確定的なパターンです。

 

3.〜4.は、「陽性者と長時間接触」のパターンです。長時間接触の場合は、マスク着用があっても濃厚接触者と判定されてしまいます。

 

濃厚接触者になると日常生活に大きな支障が…

濃厚接触者になると、新型コロナの感染が高いということももちろんなのですが、仮に検査の結果が陰性であっても、14日間は外出ができなくなってしまいます。

 

これは日々の日常生活において、非常に大きなダメージです。特に労働時間で給料が変動するタイプの労働者や、自分が働かないと収入が一切入ってこない自営業の人にとっては、死活問題だと言って良いでしょう。

 

なので、周りにいる人の生活を守るためにも、「濃厚接触者を出さないための感染対策」が、非常に重要になるのです。

 

最近は、多くの人が感染対策を徹底しているので、同居家族以外の濃厚接触者が出るということは、あまりありません。

 

しかしながら、音楽イベントの場合、その性質上、濃厚接触者が出やすく、かつそれが大人数に及んでしまいがちです。

 

新型コロナにならないことはもちろんのこと、濃厚接触者になって日常生活に支障がでる人をなくすためにも、感染対策の徹底は非常に重要なのです。

 

濃厚接触者を出さないような対策をしていれば、自ずと新型コロナの感染者を減らすこともできます。まずはここ、しっかり押さえておきましょう。

 

具体的な感染対策

では、具体的に、どのような感染対策を行えばよいのか。これらの取組は、主に出演者・主催者が行うべきものですので、基本的にはその視点で書いています。

 

なお、観客に常時マスク着用を求めるのは、この状況下では当然のことということで、いちいち記載しておりません。念のため…。

 

観客上限数を控えめに設定する

これはよく言われている話ですが、観客上限数を控えめに設定することは、感染拡大防止のために有効です。

 

3密防止に効果があるのはもちろんのこと、観客数を抑えていると、万一会場内に感染者が出たときに濃厚接触者になる人を減らすこともできますからね。

 

ライブをやっている側からすると「大勢のお客さんの前でやりたい」という気持ちはよく分かるのですが、新型コロナ感染対策の視点では、観客数を減らした方が良い、というお話です。

 

観客に発声させない

新型コロナウイルス感染症は、飛沫感染が主流です。飛沫感染とは、要は咳やくしゃみをしたときなどに口から出る液体…言うなれば、つばなどですね。

 

だからこそ、口を塞ぐマスクに感染予防効果が認められるわけなのですが、さすがのマスクといえども、防御力は100%ではありません。一番予防効果が高い不織布マスクでも、その効果は80%と言われており、これがウレタンマスク・布マスクなどになると、もっと数値は低下します。

 

なので、マスクをしているからと言って絶対に安全というわけではなく、極力大声を出したり、つばが飛んだりするような状況は、避けた方がベターなわけです。

 

そういう意味において、ライブでよくある、「観客に発声を煽る」「観客と一緒に歌う」などという行為は、大量の飛沫を飛び交わせることにつながり、非常にハイリスクです。

 

ましてや、換気が悪かったり密だったりすると、感染リスクは相当高まると言って良いでしょう。

 

観客との間にアクリル板を立てるor十分な距離を取る

観客は当然マスクを着用しているという前提ですが、一方で出演者はというと、多くの場合、ノーマスクになっていることでしょう。

 

この場合、対策無しであれば、出演者からの飛沫がダイレクトに来場者に浴びせられてしまうという、とてつもないハイリスクな状況が出来てしまいます。

 

さすがに出演者がマスクをするのは演出上難しいという話になるでしょうから、この場合、最善策はステージと観客の間にアクリル板を立てること。こうすることで、観客がノーマスクの出演者の飛沫に曝露される事態は回避できます。

 

とはいえ、貸しホールなどのイベントでは、ステージにアクリル板が設置されていないことは十分に想定されます。この場合は、次善の策として、ステージと観客の間に十分な距離を取りましょう。具体的には、2メートル程度の距離を開けていれば大丈夫かと思います。

 

ただし、これらの対策を行った場合であっても、出演者がノーマスクである場合、バンドメンバーが濃厚接触者になってしまうことは避けられません。そこはある意味、覚悟が必要です。(グループの中に一人でもノーマスクがいれば、他の人がマスクをしていてもアウトです)

 

とはいえ、観客に被害を及ぼさないと言う点において、これは非常に重要なことだと言えるでしょう。

 

打ち上げは「マスク会食」、お酒は極力控える

新型コロナは飛沫感染が中心なので、マスク着用にはかなりの感染予防効果があります。

 

ただ、逆に言うと、「ノーマスクの状況」が非常に危険ということ。

 

そして、どうしてもノーマスクにならざるを得ないのが、「飲食」の時間。飲み物も食べ物も、口を開けないと食べられないわけですから、どうしてもそのときは、マスクが外れてしまうんですよね。

 

新型コロナが感染拡大するのは、圧倒的にこの「マスクが外れる飲食の時間」。そして、より厳密に言うと、「飲食時のおしゃべりタイム」です。

 

マスクが外れていても、無言で飲み食いしている限りにおいては感染リスクはさほど高くないのですが、おしゃべりをしてしまうと、どうしても飛沫が出てしまうので、感染リスクが高まってしまうんですね。

 

音楽イベントの場合、この飲食が起こるのが「打ち上げ」のとき。ライブハウス内での打ち上げ、ライブ後に行く飲食店での打ち上げ…。

 

そして特に、お酒を飲んでしまうと、どうしても酔っ払って声が大きくなったり、マスク着用が不十分になったりで、感染リスクはますます高まってしまいます

 

新型コロナウイルスは、この打ち上げの瞬間を、虎視眈々と狙っているのです。

 

ですので、究極的な理想で言うと「打ち上げは控える」のがベストではあるのですが、一方でいつまでもそんなことを言っていられない、というのであれば、「食べているときは無言、食べ終わったらマスク」…いわゆる「マスク会食」のスタイルを徹底することです。これで、打ち上げ時の感染リスクは一定抑えることができます。

 

特にお酒が入ると感染リスクが高まります

なお、これを頭では意識していても、お酒が入ってしまうと、どうしても気が大きくなって感染対策がおろそかになりがち。だからこそ国の緊急事態宣言でも、酒類提供に厳しい制限がかけられていたわけですが、もし音楽イベントを守るために感染対策を徹底したいというのであれば、お酒は引き続き控えた方が良いでしょう。

 

余談ですが、一部の音楽サークル等に見られる「お酒の強要体質」については、新たに音楽に取り組もうとする若者の参入障壁になっているという話もあります。

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新型コロナ云々に関係なく、音楽を楽しむ人を増やすためにも、酒席のあり方についてはしっかり考えないといけないでしょう。

 

ワクチンは接種した方が良い

新型コロナワクチンについては、さまざまな意見が飛び交っておりますが、一般には現在の、落ち着いた感染状況を作り出す上で、一番効果があったのが、この新型コロナワクチンであると言われています。

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実際、第5波においても、序盤のころは高齢者の患者がほとんどいなかったのですが、これは65歳以上への優先接種の効果であったというのが一般的な評価です。

 

ワクチンも「絶対に感染を防ぐ」というほどの効果があるわけではないのですが、国全体で見ると感染者数の抑制に効果があったと言えますし、個人レベルで見ても、重症化防止の効果があるとされています。

 

接種する、しないは最終的には個人の判断となりますが、音楽イベントにかかわる立場でいうと、接種がより望ましいということは言えるのかなあ…と思います。

 

(ただし、接種しなかった人に対して差別的な言動があってはならないことは、言うまでもありません)

 

【まとめ】音楽イベントを新型コロナと風評被害から守ろう

このように、今回の記事では、音楽イベントにおける新型コロナの感染対策について、具体的な対策を中心に見ていきました。

 

これらは、巷で言われている感染対策を、音楽イベントの中に落とし込んだものでしかないのですが、こうした一般的な感染対策についても、一部の音楽イベントでは不十分であり、それが音楽に取り組む者たちを色メガネで見させてしまう大きな要因となってしまっていました。

 

前回の記事、そして冒頭にも申し上げたように、音楽にかかわる一部の人間が失墜させた信頼を取り戻すには、音楽にかかわる多くの人間の努力の積み重ねしかありません。

 

なかなかコロナ禍以前の音楽の楽しみ方ができず、フラストレーションがたまっている方が多いのは想像がつきますが、かといってここで歯止めがきかなくなってしまうと、これまでの努力がすべて台無しになってしまいます。

 

幸い、感染状況も少しずつ落ち着き、日常を取り戻すまであと少し…というところまで来ています。

 

だからこそ、私たち音楽にかかわる者たちも、新型コロナのことを正しく理解して、しっかりと感染対策に取り組み、やがてくる「日常」を、笑顔で堂々と迎えられるよう、頑張っていきましょう

 

※「音楽と新型コロナ」関係では、他にもいくつか記事があります。少し時点の古い記事もありますが、その点も踏まえながら、ご参考にしていただければと思います。

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