ギタリスト・かとうたかこの音楽ブログ

楽器レビューのほか、音楽をテーマにブログを書いています。

【レビュー】Fender Player Jazz Bass メキシコ製のお手頃ジャズベース。

本日は、フェンダーのプレイヤーシリーズから、ジャズベースについてのレビューをしてみようと思います。

 

未来を担うプレイヤーのために

フェンダーのプレイヤーシリーズは、フェンダーが「未来を担うプレイヤーに向けて作った」という新しいラインナップです。

 

メキシコで生産され、フェンダーの中では最も安い価格で買えるようになっていますが、ギター・ベースともに、幅広いラインナップを取りそろえ、かつそのすべてが、フェンダーの基本的なスタイルを踏襲しています。

 

方向性は割と現代的

今回紹介するのは、その中の1つ、ジャズベースタイプです。

 

当たり前の話ですが、見た目は完全にフェンダーのジャズベース。アルダーボディにメイプルorパーフェロー指板、20フレット使用のそれは、基本的にはこれまでのジャズベースと同様です。

 

ただ、この少し上に位置する、日本製フェンダーのトラディショナルシリーズのように、ヴィンテージ指向というわけではなくて、見た目の雰囲気なども含めて、どちらかというと、フェンダーUSAのアメリカン・プロフェッショナルシリーズに近いような印象を受けています。たとえば、カラーリングなんかも、そんな感じですよね。

 

サウンドもモダンな雰囲気!

さてさて、サウンド面ですが、さすがフェンダーのジャズベース、という感じの音が、しっかりします。

 


Fender Player Series Jazz Bass - Demo and Features

 

 

ジャズベースの特徴である、中域の音の出方もまさにそれですし、指弾きからピック弾きからスラップまで、まさに何でもできそうな懐の広さは、もちろんこのプレイヤーシリーズのジャズベースでも、健在です。

 

そして、先ほど、「アメプロシリーズに近い」みたいな話を少し書きましたが、サウンド面でも同様の傾向があって、ヴィンテージ系の枯れたサウンドというよりは、現代的なサウンドにアレンジされているような印象も受けます。

 

アルダーボディながら、価格は脅威の7万円台!

そして、このベース、やはり価格を抜きにしてその価値を語ることは困難でしょう。

 

実売価格は、メイプル指板で7万円前後、パーフェロー指板で7万5,000円前後が一般的な相場です。

※パーフェローとは、ローズウッドがワシントン条約の取引制限にかかってしまった中、その代替材として使われている木材です。

 

日本製フェンダーでも8~9万円ほどする上、モデルによってはバスウッドボディになっているものが多い中、アルダーボディの入門モデルはかなり価値があると思います。(ただし、私はバスウッド=低価格モデル向け、という考え方には少し違和感がありますけどね)

 

日本製フェンダーの話が出てきたので、もう1点、そことの比較の話をすると、よく日本製フェンダーは、「扱いやすいけど、すこしトゲのとれた音」というような評価をされることがあります。あるいは「薄膜に覆われたような音」というような表現も聞いたことがあります。

 

一方で、フェンダーUSAシリーズは、そのトゲが残ったまま、薄膜はとられたような、生々しい音がするというふうに評価されるわけですが、その生々しさは、実はフェンダーメキシコと呼ばれる、メキシコ製フェンダーでも同様に感じることができます。

 

そういった意味においても、海外製フェンダーを手頃な価格で入手できる、このフェンダーのプレイヤーシリーズは、大変貴重なんだと感じています。

 

あえて弱点を探せば…作りの甘さか 

そんなフェンダー・プレイヤーシリーズの弱点ですが…やはりメキシコ製なのか、全体的に細部の作りが甘いように感じます。これは、日本製フェンダーと並べてみてみると、結構はっきりと、雰囲気の違いを感じてしまうのではないでしょうか。

 

工業製品としての完成度の面では、やはり日本製フェンダーの強みを感じるのは事実です。

 

とはいえ、低価格帯で手にできる海外製フェンダー、やはり非常に魅力的です。初心者の方の1本目としてはもちろんのこと、たとえばプレベ派の人が、少しジャズベに浮気したいとき、気軽に手にできるこの一本、すごく有力です。

 

日本製フェンダーで、工業製品としての完成度とヴィンテージサウンドを手にするか。

あるいはプレイヤーシリーズで、現代的な海外製サウンドを手頃な価格で手にするか…。

 

ここは、すっごく、悩みどころだと思います。

 

ぜひぜひ、両方、試してみて下さいね。