ギタリスト・かとうたかこの音楽ブログ

楽器レビューのほか、音楽をテーマにブログを書いています。

バンドマン・SSWのTwitter事情

インターネットの普及、そしてSNSの普及に伴い、多くのバンドマンやシンガーソングライター(SSW)の皆さんが、自らの活動を、自分の言葉で、不特定多数に発信できるようになりました。

 

そんな中でも、現在、バンドマン・SSWの皆さんにとって重要な役割を果たしているのが、Twitter

 

当ブログでは、以前、あえてTwitterに逆張りするような形でバンドマン・SSWが活用するSNSについて考察を行っています。

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バンドマン・SSWがTwitterを使うことについて、少し批判的な論調で書いた記事ではあるのですが、そうはいっても、やはりこの手軽さとユーザーの多さ、反応の早さはTwitterの代えがたい魅力であり、それが多くの方々に支持されているのは事実だと思います。

 

今回、バンドマン・SSWの皆さんが日々親しんでいるTwitterの活用状況を、いくつかの視点で考察してみたいと思います。

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フォロワー数は1,000人超えが一つの目安

Twitterで情報発信をしているミュージシャン系アカウントを見ていると、ある程度の活動実績がある方については、概ねフォロワー数が1,000を超えている印象があります。

 

主に、

  • 活動を応援してくれているファンの方
  • 対バン等で一緒になった他のミュージシャンの方
  • その他個人的なつながり

といったところでフォロワー欄が構成されていることかと思いますが、これまでの活動実績…もっというと「活動量」が豊富な方は、フォロワーが1,000を超えてきています

 

逆に言うと、フォロワーが1,000を下回っている方については、次のような状況にあるものと考えられます。

  • 活動フェーズがまだまだ序盤:これはそういうものですよね。これからの伸びしろに、大いに期待がかかります。
  • 社会人バンド等で活動量を十分に増やせない:これも仕方がないところ。活動量が十分に増やせない分、ライブもSNSのPRも「質」で勝負です。
  • 活動量は十分にあるが、SNSでのPRが不足している:もしこのパターンに該当する場合は、せっかくの音楽活動が、多くの人に伝わっていない可能性があります。ぜひ、今からでも、積極的なSNSの活用に転じてみましょう。

Twitterのフォロワー数と音楽活動の質には相関関係は必ずしも見られないと思いますが、Twitterのフォロワー数と活動の認知度には一定の相関関係が見られると考えられます。

 

ある程度の活動量があるバンドマン・SSWの方は、さらなる活動の認知を目指して、まずはフォロワー数1,000を目指した取組を進めてみてはいかがでしょうか。

フォロー数1,000超アカウントのタイムラインは見てられない

さて、フォロワー数が1,000を超えたTwitterアカウント。

 

十分に活動が認知される最低限の下地は整った…と考えられますが、一方で、これだけ多くのフォロワーを抱えている状況のTwitterアカウントは、おそらくフォロー数も1,000程度を越えていると推測されるところ。

 

そうした、フォロワー数が非常に多い状況にあるTwitterアカウントには、一つ、大きな課題があります。

 

それは、「タイムラインがごちゃごちゃしすぎて見ていられない」というもの。

 

はっきり申し上げて、フォロワー数が1,000人ともなると、「あれ、この人、誰だっけ?」みたいな感じの人も相当程度混じってきますし、そうした誰かも分からない人も含めたフォロワーさんの「いいね」「リツイート」などでタイムラインが相当カオスな感じになってきます。

 

ちなみに、当ブログの筆者のTwitterアカウントも、本稿執筆時点でフォロワー数が約1,500人いらっしゃいますが、タイムラインは相当にごちゃついています。

 

実際、複数のフォロワーさんがリツイート等をした結果、私が見たくないような不快な動画を見せられてしまうことも多く、正直、「素のままのタイムライン」全体を見渡しながら、なかなか個別のフォロワーさんの投稿をチェックすることは難しいと感じています。

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リストを活用してフォロワーの投稿をチェック

そうしたごちゃついたタイムラインを整理するのに、もっとも手っ取り早い方法は…

 

本来は、自分がフォローしている人の整理なのですが、そんなことをすると、せっかく自分の活動を応援してくれているファンの方が「切られた」と思ってしまうことになりかねません。

 

本来、バンドマン・SSWさんがTwitterを活用する目的は「自分の活動のファンを増やすこと」。なのに、フォロー・フォロワー整理のせいで、せっかくのファンが気を悪くしてファンをやめてしまっては本末転倒です。(「フォロー整理でファンをやめる程度のファンはファンではない」という議論もあると思いますが、それはここでは一旦置いておきます)

 

ですので、専らタイムラインを見やすくするためにフォロワーを整理する、という手法は、通常の思考パターンを持つ限り考えられない、と言ってよいでしょう。

 

そこで、タイムラインを見やすくするために使われているのが「リスト」。リストの中に、本当にタイムラインを常時チェックしたい人だけを登録しておき、普段はタイムライン本体ではなく、このリストで投稿をチェックしている、という具合です。

「フォロー返し用アカウント」は心証が悪いぞ

なお、前述の「タイムライン整理」の観点で、リスト活用以外の手法として見かける工夫として、「フォロー返し用アカウント」というのがあります。

 

これは、ファン・来場者の方からフォローを受けた場合、自分のメインアカウントからフォローを返すのではなく、フォロー返し用に別アカウントを作っておいて、そちらを活用する、というものです。

 

これ、個人的にはファンに与える心証が悪いと考えます。

 

それは、「あなたは、私にとって、メインアカウントでタイムラインを見るに値しない人です」という宣言を、わざわざ相手方に突きつけているも同然であるから。

 

タイムラインを整理する必要性は、フォロー・フォロワー数が多い人であれば、ある程度は理解されていること。ただ、その辺の作業は、誰かの気を悪くすることなく、こっそりとやればいいのに、わざわざ「フォロー返し用アカウント」でフォローを返すことによって、結果として相手にはこのメッセージが伝わってしまうのです。

 

なお、「フォロー返し用アカウント」みたいな露骨なものでなくても、たとえば「ライブ告知用アカウント」とか「ファン交流用アカウント」とかも、(ファン等に真意が伝わる可能性の高低はともかくとして)ニュアンスとしては同義です。

 

繰り返しになりますが、バンドマン・SSWにとってTwitter活用の目的は「自分の活動のファンを増やすこと」。その目的の達成をTwitter運用の至上命題に置いたとき、誤解を招かないような運用を心がけるのは、クールに考えれば、ごくごく、当たり前の話です。

 

ファン・来場者の感想はエゴサーチでチェック

おそらく、多数のファンを抱えているバンドマン・SSWの方は、これらのような手法でタイムラインを整理して、Twitterを閲覧していることかと思います。

 

ただ、これは逆にファン側の立場に立ってみると、「自分の日々の投稿は、相互フォローのはずのアーティスト側には一切届いていない」ということを意味します。

 

おそらく、ファン側は、相互フォローを得ることによって、Twitter上での双方向コミュニケーションが実現できていると認識しているのでしょうが、このようなリスト活用をされている限りにおいって、その認識は単なる誤りになってしまいます。

 

とはいえ、ミュージシャン側も、ある程度自分に好意を持っているファンや来場者の声というのは聞いてみたいもの。

 

そこで行われているのが、自分の名前でTwitterを検索する、いわゆる「エゴサーチ」。ファンの方の投稿は、タイムライン上やリスト上でチェックするのではなく、このエゴサーチによって確認し、必要に応じて「いいね」やリツイート、リプなどを行っているというわけなのです。

 

せっかくインタラクティブなコミュニケーションができていると思っていたのに、実際はエゴサーチでしか絡めていない…ファンの方にとっては残酷な話かもしれませんが、これが現実です。 

 

アマチュア~インディーズなら安心してエゴサOK!悪口が出たら一流の証!?

ちなみに、プロのタレント・ミュージシャン等の場合、このエゴサーチで批判的な意見を目にしてしまうことが多く、精神衛生上よろしくないことから、エゴサーチを行っていない人が多々いらっしゃいますが、そこまでの域に達していないアマチュア~インディーズくらいだと、ライブの感想等でネガティブなことを書かれることは、めったにありません

 

逆に言うと、エゴサーチで批判や悪口の類が出てくるようになったら、それはまがうことなく、一流の証だということでもあります。

 

なので、ここは好意的に解釈することにしておきましょう。

 

ライブ告知オンリーのアカウントはつまらんぞ!

あと、これもバンドマン・SSWさんのTwitterアカウントによくある話かと思いますが、とにかくライブ告知が多い

 

 もちろん、バンドマン・SSWさんにとって、重要なことは、

  • ライブに来てもらうこと
  • CD等を買ってもらうこと

であることは、言うまでもありません。

 

ですので、ライブ告知やCDの宣伝などがTwitterの投稿に一定程度登場することは、ごく当たり前のことかと思います。

 

ただ、それを前提に話をしたとしても、これが度を過ぎると、本当にライブ告知をひたすら垂れ流すだけのアカウントに終わってしまいます。

 

そうしたアカウントは、ファンの目から見たとき、正直言って、楽しいものではありません

 

おそらくファンの方は、ライブ告知以外にも、たとえばバンドマン・SSWさんの日常とか、楽曲に込めた思いとか、中長期的な展望とか、そういった投稿も見てみたいのではないかと思います。そういった一面を見ることによって、より一層親しみが湧き、ライブに参加するきっかけにつながっていく…。

 

せっかくTwitterを運用するのであれば、そこまで戦略を張り巡らせてみた方が良いのではないかと思います。

 

もちろん、あえて音楽以外のことをヴェールに隠し、ミステリアスなイメージで売っていくというマーケティング戦略のもとでTwitter発信を控えているのであれば、それはそれで一つの考え方として、大変重要なものだと理解できます。

 

ただ、もしも、そうした高度な判断もないままに「自分にとって一番大事なことは、ライブに来てほしいということだから、発信するメッセージをそれに特化させている」というのであれば、それは戦略を欠いた、独りよがりな判断にとどまっているんじゃないかなあ…というふうに思ってしまいます。

 

テレビバラエティの番宣俳優に置き換えて考えてみよう

ちょっとしたたとえ話で考えてみます。

 

たとえば、テレビのバラエティ番組で、明らかに番宣目的で来ている俳優さんが「自分の役割は番宣だけだから」といった態度を露骨に出し、番組の中で十分な役割を果たそうとしない人がいたとしたら、一般の視聴者はきっと、その俳優さんに好意的な感情は持たないと思います。

 

そして、そのときの立ち回りがあまりに露骨なものであったら、ヘタをすると番宣目的で見ている俳優のファンの方も、気持ちが離れていってしまいかねないのではないでしょうか…。

 

要は、自分がTwitterでアカウントを持っている最終目的は何なのか…。そして、その目的を達成するために最適な行動をしようと思ったとき、「ライブ告知オンリー」というのは、決して賢明な選択とは言えないのではないか…という問題提起なわけなのです。

 

女性SSWのアカウント特有の特徴

ここまでは、一般論としてのバンドマン・SSWにおけるTwitterの現状などについて考察してきましたが、この項目では、女性SSWに特化した議論を行います。

 

女性SSWに関する議論を行うということは…すなわち、「SSWおじさん」の話題になってしまうということです。

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女性SSWのリプ欄に集うSSWおじさん

とにかく、女性SSWのTwitterアカウントのリプ欄には、SSWおじさんが集います

 

そして、その投稿内容は、得てして

  • 単なるあいさつ(「おはようございます」など)
  • なんとも言えぬ好意の表現(「きょうもカワイイですね」など)
  • 自分自身の近況報告(「自分、今日は仕事が休みなんです」など)

といったような感じになりがちで、おそらく女性SSWさんはどう反応していいか分からず、対応に苦慮しているのではないかと想像できるところです。(こうしたリプの類に対し、けなげに対応をしているピュアな女性SSWさんもいらっしゃいますが…)

 

こうしたSSWおじさんからの謎リプの類については「一括して無視」という対応がもっとも分かりやすくて良いのですが、他方で本当にお話がしたいファンの方がリプ欄に混じっていることもあり、これがますます事態を複雑化させます。

 

お話がしたいのでリプを返したいが、そうすると無視を決め込んでいるSSWおじさんたちとのバランスが崩れる懸念がある。かといって、せっかく乗りたい話題があるのに、SSWおじさんを気にするがあまり、それを無視するのもしゃくな話である…。

 

誰も得しない議論のように見えますが、現実はシビアなものです。

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「DMは見ません」「DMはチケット予約のみ」が作る壁

Twitterのリプ欄であれば、やりとりの全容が公になるので、さすがにあまりにも変な書き込みは行われないのが通常ですが、やっかいなのがDMです。

 

1対1のやりとりになるDMだと、デートや食事の誘いなど、異様に踏み込んだアプローチが出てきてしまいますので、できればDMのやりとりは避けたいところですが、一方で、このDM、ライブチケットの取り置きなどにも活用されているところがあります。

 

ですので、できればDMのやりとりは避けたいと考えるのが自然で、それゆえにプロフィール欄に「DMは見ません」「DMはチケット予約のみ」という文言を、つい書き込んでしまいたくなります。

 

ただ、これらの文言は、女性SSWさんをSSWおじさんからのDMから身を守る「バリア」として機能する面がある一方で、同時にこれが一般客にとって、近寄りがたさを感じる「壁」になってしまうのも、また事実。

 

もちろん、ライブ等でお目にかかって、人となりが分かっているようなミュージシャンであれば、こうした「壁」は取っ払われるのですが、Twitter上でしかコミュニケーションがない状態での「DMは見ません」は、少なくとも一般的には、相当な心理的障壁として、一般客には映ります。

 

SSWおじさんからの干渉から身を守るか、多少防御力が下がっても、攻めの姿勢で一般客との壁を下げる方向に向かうか…。非常に悩ましい問題です。

事務所管理アカウントの「脇の甘さ」

そうしたトラブルを避けるために、女性SSWさんが活用しているのが「事務所に所属し、SNS管理を事務所に委ねる(投稿は自分でもやる)」という手法。

 

これであれば、トラブルが起こったときの対応を事務所が引き受けてくれるようになりますので、女性SSWさんの安心感は、かなり高まるのではないかと考えられます。

 

ただし…これもこのブログで何度か問題提起をしていますが、この手の芸能事務所さんの事務処理能力や法務能力・調整能力については、「?」がつくようなレベルのところも非常に多いです。

 

少なくとも、一定水準の社会人スキルを身につけた者にとっては「えっ、その件で、そんな判断をするの?」というようなレベルの事務所が、大手であっても多々見受けられるのが現状に感じます。

 

折しも、NGTの騒動やお笑い芸人の闇営業問題などで、大手芸能事務所の事務処理能力・危機管理能力の低さゆえに芸能人が窮地に追い込まれる事案を、相次いで目の当たりにしている昨今。 

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芸能事務所が女性SSWさんを十分に守れるだけの実力があるかというと…私は正直、疑問符を付けざるを得ないところも多いと感じています。大手ですらあの状況ですから、いわんや中小芸能事務所をや、といったところもあるでしょう。

 

なお、私がミュージシャンが所属する芸能事務所のスキルを判断する目安として使っているのが、「所属ミュージシャンに路上ライブを許容しているか否か」。これまでも当ブログで述べているように、無許可の路上ライブは違法性があり、警察が介入する事案です。

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それを芸能事務所が「放し飼い」にしているようでは、申し訳ないですが、その事務所の実力も、その程度のものだということなんだと思います。

 

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まとめ 

ここまで、バンドマン・SSWの皆さんのTwitterを拝見しながら見えてくる傾向、そしてその傾向に関する考察を行ってきました。

 

この記事中、何度も書いていることでもあるのですが、バンドマン・SSWがTwitterを活用する目的は「自分の活動のファンを増やすこと」

 

ところが、Twitterの世界…いわゆる「ツイッターランド」と揶揄される世界の雰囲気に飲み込まれたり、あるいは女性SSWの場合SSWおじさんに執拗な絡まれ方をしたりするなどの事情により、その本来目的を見失ったTwitter運用になっている事案も、多々目撃されていると感じます。

 

Twitterの世界は本当に混沌としており、どのように対応するかが悩ましいのは事実ですが、あくまでメインは音楽活動。

 

その音楽活動の情報発信を効果的・効率的に行うことに主眼をおく中で、上手にTwitterとお付き合いをしていくことが、何より大事なのではないでしょうか。