ギタリスト・かとうたかしの音楽ブログ

楽器レビューのほか、音楽をテーマにブログを書いています。

【レビュー】Fender Made in Japan Traditional 60s Stratocaster

本日は、日本製フェンダーのストラト、Fender Made in Japan Traditional '60s Stratocasterをご紹介しようと思います。

 

そもそものラインナップ

このブログでも、何度か取り上げている日本製フェンダー。改めてのおさらいになりますが、現在のラインナップは大きく

  • Traditionalシリーズ:主要なヴィンテージの人気モデルを復刻したような形のもの
  • Hybridシリーズ:ヴィンテージを基本としつつ、現代的なアレンジを施したもの

といった形になっており、今回紹介するストラトキャスターは、そのうち「Traditionalシリーズ」に位置づけられます。

 

で、Traditionalシリーズのストラトキャスターの中にもいくつかバリエーションがあって、

  • '50s Stratocaster
  • '60s Stratocaster
  • '70s Stratocaster(Hybridの場合、ここは「'68」になります)

と、それぞれの年代のストラトを復刻したようなイメージとなっています。

 

従って、日本製フェンダーのストラトを見ていく場合、大きくは

  • TraditionalかHybridか
  • 50年代か60年代か70年代(68年)か

という2つのチェックポイントについて、検討することが必要になります。

 

おおむね60年代のストラトを再現…ただしボディはバスウッド

今回紹介する「Made in Japan Traditional '60s Stratocaster」も、おおむね60年代のストラトを再現したようなギター。具体的には、11点止めのピックガードに、ローズウッド指板、スモールヘッドに、いわゆるスパゲティロゴですね。

 

ただ、このギターを検討する上で留意しないといけないのが、一般的なモデルだと、ボディがバスウッドになっています。バスウッドボディであるがゆえの軽量さや音の扱いやすさは、後述するようにメリットもあるのですが、「やっぱり60年代ストラトといえばアルダーボディでしょ!」という人にとっては、少し物足りなさを感じるところかもしれません。

 

なお、同じ60年代ストラトのTraditionalシリーズであっても、上位グレードとなる「Gold Hardware」シリーズの場合、単に各パーツがゴールドになるだけでなく、なんとボディがアルダーになるんです。

 

ここ、単なるパーツの色の違いだけではないんですね。要チェックポイントです。

 

ところで、このTraditionalシリーズのストラトキャスター、実は全シリーズにおいて、ネックの仕様は共通です。

 

こういった点からしてみても、Traditionalシリーズは、ヴィンテージを完全に再現しにいっているというよりは、ヴィンテージの雰囲気を楽しめる本家フェンダーのギター、という理解でいる方が、いろいろと誤解はないような気がします。

 

サウンドはフェンダーのストラトそのもの!

さてさて、サウンド、聞いてみましょう。


Fender MIJ Tradtional 60's Stratocaster Review

 

ここで聞けるのは、細かい仕様の違いを感じさせることのない、正真正銘のフェンダーサウンドです。繊細な…だけど決して線の細さを感じさせない、このサウンド。これぞヴィンテージ系ストラトの魅力であり、それをこの日本製フェンダーは、しっかりと再現してくれています。

 

このギターは、ボディがバスウッドになっていまして、そこをウィークポイントととる向きもあるのでしょうが、個人的にはそうではなく、むしろそのおかげで、扱いやすいサウンドになっているという、プラスの評価ができるんではないかな、と思っています。

 

「どうしてもバスウッドは…」という場合、ゴールドパーツ仕様の方にいくこともできますしね。

 

特に、フェンダーUSAのアメリカン・プロフェッショナルシリーズが、割と現代的なストラトキャスターとして評価されていることを考えると、ヴィンテージ系のストラトをほど良い価格で購入しようと考える場合、この日本製フェンダーのTraditionalシリーズは、本当に有力候補の一角になるのではないかと思います。

 

同価格帯のギターとの比較

このギター、価格は概ね8~9万円程度。最近だと、同じフェンダーのPlayerシリーズがもう少し下、6~7万円の価格帯に存在しており、しかもこちらはアルダーボディと、一見、お買い得のように見えます。

 

確かに、価格とスペックを見ると、Playerシリーズの方が有利なようにも見えますが、一方で、工業製品としてのモノの作りに着目すると、そこは明らかに日本製フェンダーの方が上です。これは、楽器屋さんで両方を並べて見てみると、よく分かるかなあ、と思います。

 

で、次に比較対象になるのが、これより少し価格が上の、Made in Japan Hybridシリーズ

 

こちらになると、価格が10万円前後と、1万円程度価格が上がる一方で、ボディはアルダーに、ネックはサテンフィニッシュのさらさら仕上げになるほか、ピックアップもUSA製になり、またフレットがミディアムジャンボフレットになって弾きやすくなるなど、より現代的な作りに近づいていきます。

 

1万円強の価格差で、けっこうなグレードアップをしているように見えますが、一方でそれだけ現代的なサウンドに近づいた、ということも言えます。ヴィンテージ指向でギターを選ぶ場合、このあたりの差をどう評価するかは、ぜひ弾き比べて判断いただきたいと思います。

 

まとめ

8~9万円のストラトというと、初心者~中級者くらいの方にとってはまさに本命となる価格帯。それだけに、私たちユーザーには、さまざまな選択肢が与えられていますが、この60年代ストラトをモチーフにしたこのギターは、まさにギターを比較検討する上での「中心」になる一本、もっといえば「標準」となるギターなのではないでしょうか。