ギタリスト・かとうたかこの音楽ブログ

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【レビュー】BOSS WAZA-AIR 社会人のための、ワイヤレスヘッドホンアンプ

BOSSから、非常に興味深い新商品がリリースされています。その名も「WAZA-AIR」。今回は、これについて、レビューさせていただこうと思います。

 

  

初回出荷分はほぼ完売…注目度の高さがうかがえる

商品説明に入る前に、まずこのWAZA-AIRについては、2019年12月14日(土)に発売されたのですが、なんとなんと、初回ロット分は、その日のうちにほぼ完売してしまいました。

 

この初回ロット分、台数にして100台程度しかなかったとのことで、12月14日の発売日当日には、「欲しいけど買えなかった」というような人が、全国各地の楽器屋さんに続出したように聞いています。

 

また、デジマートにおいても、発売日午前中のうちはいくつか在庫を擁する店があったのですが、夕方ごろにはそれらもすべてなくなってしまいました。

 

次回入荷は、2020年1月になる予定とのこと。今は、多くの人が、期待に胸を膨らませながら、次回入荷を待ち望んでいる状況なんです。

 

これだけの注目度を集める新商品は、本当に久しぶり。そんな、WAZA-AIRとは、いったい、どんなアイテムなのでしょうか…。

 

WAZA-AIRとは

WAZA-AIRを端的に言うと、「ワイヤレスヘッドホンアンプ」となるでしょうか。ギター側にワイヤレスのトランスミッターを差し込み、ヘッドホン内蔵のレシーバーでそれを受け止め、ギターサウンドをヘッドホンで聞くことができる、というもの。

 

位置づけとしては、自宅練習用のアイテムという形になります。

 

この手のアイテムとしては、これまでもVOXのAmplugなどがありましたが、これはヘッドホンがワイヤードなので、どうしてもギター回りに細かいケーブルがまとわりついてしまい、ややストレスを感じるようなこともありました。

 

その点、このWAZA-AIRは、完全ワイヤレスですので、自分の身の回りに一切ケーブルがない、非常に快適な空間を作り出すことができるようになっているのです。

 

KATANAシリーズ譲りのアンプタイプ、ベースやエレアコ対応も

そして、このWAZA-AIRのサウンドなのですが、同じBOSSのKATANAシリーズに準じるようなアンプタイプが搭載されています。KATANAシリーズも、アンプとして、サウンド面での評価が非常に高い一品ですが、それを踏襲する形のサウンドになっているというのは、非常に心強いところです。

 

また、ベースやエレアコに対応している、フルレンジアンプも搭載されており、エレキギターを弾く人のみならず、ベーシストやアコギ弾きの方にとっても有用なアイテムとなります。

 

この手の機材は、どうしてもベースで使えるものが少なかったりするので、そこに一定意を用いていただけているのは、ベーシストの方にとっては、大変ありがたい話なのではないでしょうか。

 

さすがBOSS!エフェクターも多数用意

そして、このあたりがBOSSのすごいところだと思うのですが、エフェクターについても、KATANAシリーズと同様に大量に用意されており、かなり細かく音作りを追い込んでいくことができます。

 

歪み系においては、OD-1やBD-2、MT-2など、BOSSの定番コンパクトのモデリングから、RATなど他社製のモデリング、さらにはBOSSのマルチエフェクターで定番になっているオリジナルの歪みなど、かなり豊富に用意されており、アンプのモデリングと合わせると、音作りの幅は相当に広がります。

 

加えて、ディレイやコーラス、コンプレッサーなども、BOSSのマルチエフェクターと同様に、さまざまな種類のものを、細かく設定を詰めながら使うことが可能です。

 

特徴的な「立体音響テクノロジー」

そして、この「WAZA-AIR」のもっとも大きな特徴といえるのが、ジャイロセンサーを利用した立体音響テクノロジー

 

ワイヤレスヘッドホンの中に、ジャイロセンサーが内蔵されており、頭や体を動かすことにより、音の定位が移動して、まるで目の前にアンプがあったり、あるいはライブのステージに立っているような感覚を味わえる、というしくみになっています。

 

ちなみに、モードとしては、

  • OFF:通常の再生
  • SURROUND:常に前方から聞こえる
  • STATIC:前方から聞こえるが、頭を動かすとサウンドの定位が変化する
  • STAGE:後方から聞こえるが、頭を動かすとサウンドの定位が変化する

という、4パターンが用意されています。

 

細かい設定はアプリ「BOSS TONE STUDIO」で

そして、前述のアンプやエフェクターの設定、そして立体音響のモードなどといった、サウンド面については、スマートフォンのアプリ「BOSS TONE STUDIO」を使って操作をすることができます。

 

逆に言うと、これがないと細かい設定はほぼ触れないので、このアプリはWAZA-AIR活用において必須だと言えるでしょう。

 

アンプのモードや、エフェクターの設定の仕方などは、KATANAシリーズのアンプを踏襲しているので、これに慣れている方は、違和感なく操作することができそうです。

 

ちなみに、本体内にパッチは6つ設定することができ、このパッチをアプリ内に保存して、適宜入れ替えていくことができます。

 

弾いてみると…生々しい音がストレスなく楽しめる!

さて、そんなWAZA-AIR、実際に弾いてみると、どんな感じなのでしょうか。

 

まず初めに感じるのは、なんといっても「ワイヤレスの自由さ」。

 

シールドをワイヤレス化する機材については、これまでも当ブログでいくつか紹介してきたように、だいぶ一般化してきましたが、練習用のヘッドホンをワイヤレス化するというのはなかなか難しく、夜間練習時には、どうしてもヘッドホンやイヤホンのワイヤーとお付き合いをせざるを得ないのが現実でした。

 

その点、このWAZA-AIRは、ヘッドホンの部分までもをワイヤレス化しており、夜間練習もストレスなく取り組めるようになっています。音質もさることながら、個人的にはまずこの点に、大きな感動を覚えます。


第一線で活躍中のミュージシャンがWAZA-AIRを体験!

 

そして、初期状態のプリセットで音を聞いてみるのですが…この時点で既に、相当に生々しいサウンドが鳴っているのが分かります。

 

サウンドの傾向は、良くも悪くも「BOSSの音」ではあるのですが、そんなBOSSの音が大好きな方にとっては、これは、かなりテンションが上がるのではないでしょうか。

 

ちなみに、初期状態のプリセットは、クリーンと歪みのそれぞれに、立体音響が「SURROUND」「STATIC」「STAGE」の3つが組み合わさ6れるという形で、2×3=6通りが組み込まれています。

 

立体音響…「STAGE」が楽しいけど、普段使いは「SURROUND」?

さて、このWAZA-AIRの最大の特徴である、立体音響のしくみ。初期状態のプリセットでは、まさにこれらを聞き分けられるような形になっているので、これらをひととおり試してみると…

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やはり、圧倒的に楽しいのは、「STAGE」モード。動き回りながらギターを弾いていると、気分は本当にライブハウスです。頭を動かすと、ギターサウンドの定位がそれに合わせて動くさまは、これまでの機材ではおよそ感じたことのないような新鮮さです。

 

ただし、一方で、普段の練習のときは、そういったところに気を取られず、自分の演奏に集中したいと思うことも多いでしょうから、そういうときには、「SURROUND」モードの方が使いやすいかな、とは思います。

 

SURROUNDモードだと、ギターサウンドも適度に空気感を帯びてくれるので、ヘッドホン練習時にありがちな「サウンドの近さ」を感じることがなく、個人練習に打ち込むときには、これがベストでしょう。

 

エフェクトもさすがBOSS!ここまでクオリティが高いとは…

そして、アンプのモデリングやエフェクターの設定を、BOSS TONE STUDIOでいろいろと触りながら、プリセット以外のサウンドもチェックしていきます。

 

まず、アンプのモデリングについては、最近のBOSSが押している「BROWN」サウンドの生々しさがとても好印象。ヘッドホンの中でも、あのブラウンサウンドが、まるでアンプのようなリアルさをもって、しっかりと伝わってきます。

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そして、エフェクターも、BOSSらしさあふれるサウンドに仕上がっていて、非常に扱いやすいです。このあたりは、既にBOSSのマルチエフェクターやKATANAシリーズのアンプをご利用の方には、イメージを持っていただきやすいのではないかと思いますが、やはりオーバードライブ系の歪みに関しては、質・量ともに、BOSSに一日の長があるように感じます。

 

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このほか、コーラスやコンプレッサーといった定番どころから、ピッチシフターやタッチワウなどといった、やや飛び道具的なエフェクトまで、BOSSのマルチエフェクターに入っているエフェクターは、概ねすべて網羅されている印象です。

 

主に自宅練習で活用するという性質上、ここまでのエフェクターは必要ないのかもしれませんが、マルチエフェクターに慣れていない人にとっては、これを活用した音作りの練習というのも、また面白いところかもしれません。

 

性質上、サウンドの試聴がしにくいので…KATANAのサウンドをヒントに

さて、そんなWAZA-AIRなのですが、実はこれ、サウンドを外部に出力する機能がなく、完全にヘッドホンから出てくる音ですべてが完結するようなしくみになっています。

 

ですので、YouTube等で、WAZA-AIRのサウンドを試聴することが非常に困難にはなっているのですが…

 

一方で、サウンドのベーシックな部分は、KATANAシリーズのアンプを踏襲していますので、もしサウンドの方向性が気になるというのであれば、KATANAシリーズの動画等を参考にすると良いと思います。


【池部楽器店】BOSS 刀 KATANA-AIR サウンドレビュー

 

ちなみに、当ブログでも、過去にKATANAシリーズのギターアンプについてレビュー記事を書いています。ぜひあわせて、ご覧ください。

www.tk-guitar.com

www.tk-guitar.com

 

 

ベースの練習にも十分使える!

そして、このWAZA-AIRについては、フルレンジタイプのアンプモデルも搭載されており、これを使うことで、ベースの練習にも使うことが可能とされています。

 

実際、BOSS TONE STUDIOにおいて、アンプのモデル選択画面を見てみると、「FLAT / BASS / ACOUSTIC」となっており、ベースでの使用が想定されていることが分かります。

 

このアンプモデルをセットして、ベースを弾いてみると、ベース用アンプモデリングのような凝った音作りこそはできませんが、素直なベースサウンドを鳴らすことができるので、練習用としては十分すぎるくらいに使える印象を受けました。

 

もちろん、ここに、コンプなどのエフェクターを組み合わせることで、ある程度の音作りもできます。

 

ベース専門の人が買うほどかどうかは、意見が分かれるところかもしれませんが、アンプとしてのKATANAシリーズは、ベースでの使用が想定されておらず、この点を惜しむ声が割とあったのも事実。

 

ですので、このWAZA-AIRであれば「普段はギター、たまにベース」くらいの人から「ギターとベースのマルチプレイヤー」という人にも、自信をもってオススメできます。

 

ヘッドホンとしての性能も上々!外には連れ出しにくいけど…

また、このWAZA-AIRは、スマートフォン等とBluetooth接続をすることにより、普通のワイヤレスヘッドホンとしても使うことができます。

 

ですので、スマートフォンの音源と合わせた練習はもとより、通常のワイヤレスヘッドホンとしての活用も十分に可能なわけです。

 

その際の音質ですが…何の違和感もなく、普通のヘッドホンとして問題なく使っていけるほどのクオリティは、十分にあります。サウンドの傾向としては、どちらかというと、やや中域~低域よりな印象ですね。

 

なので、日常使いのワイヤレスヘッドホンとしても使えそうなところですが…ただ、やはりヘッドホンアンプとしての機能がメインであり、それゆえに価格が高額になっているアイテムでもありますので、故障のリスクなどを考えると、気分的にはあまり外に連れ出して使いたくはないような気もします。

 

なお、このWAZA-AIRのヘッドホン部分については、バッテリーの持続時間が5時間程度と、一般的なワイヤレスヘッドホンに比べると短いです。そういった点においても、WAZA-AIRは外に連れ出すヘッドホンとしては不利です。

 

常用するワイヤレスヘッドホンは、別に用意した方が無難かもしれませんね。

 

価格は4万円…高いが、納得のクオリティ

そんなWAZA-AIR。価格は税抜き4万円、税込み4万4,000円が相場になっています。これが事実上の定価だと言って良いでしょう。

 

この手の練習用ヘッドホンアンプだと、たとえばVOXのAmplugシリーズなどは、数千円で買えたりするので、「自宅練習用のアイテムに4万円」というのは、正直、高いのでは…と思ってしまいます

 

とはいえ、KATANAシリーズの流れを汲むサウンドクオリティの高さは間違いないですし、何より、「完全ワイヤレスでストレスなく自宅練習ができる」というメリットは、深夜にしかギターを弾くことができないような社会人にとっては、これだけのお金を投じるだけの価値が十分にあるかと思います。

 

そういった意味では、まさにこれ、「大人のアイテム」だと言えるかもしれませんね。

 

【まとめ】ハイクオリティでノンストレスの自宅練習アイテム!

このように、このWAZA-AIRについては、KATANAシリーズと同様のサウンドクオリティを、ワイヤレスヘッドホンアンプの中に取り込み、究極の自宅練習用アイテムとして仕上げてきた、大変魅力ある一品です。

 

価格が44,000円とやや高く、それゆえに購入するのに躊躇しそうな向きもありますが、一方で、前述のように、初回出荷分がほぼ完売になってしまうあたり、「多少高くてもいいから、こういうアイテムが欲しかった」という層が一定程度存在していたことも、明らかになっています。

 

仕事や家事に追われ、深夜しかギター練習ができないような、社会人ギタリストの方にとって、夜中にストレスなく、極上のクオリティでギター演奏が楽しめるようになる、このWAZA-AIR。

 

ぜいたく品のようで、実は社会人ギタリストにとってはマストアイテムになるのかもしれません。

 

2019年12月現在、入手には最低1カ月程度の待ちが必要になってしまうようですが、初回の売れ行きを見る限り、今後もしばらくは入手困難になることが見込まれます

 

気になる方は、ぜひお早めにご購入を!それだけの価値は、間違いなくありますよ!