本日は、BOSSのコンパクトエフェクター、AC-3 Acoustic Simulatorのレビューです。
アコースティック・シミュレーターとは
このエフェクターは、その名のとおり「アコースティック・シミュレーター」、すなわちエレキギターで、アコースティックギターの音をシミュレートする、というものです。ここに言うシミュレートは、日本語で言うなら「疑似再現」が近いでしょうか。
このエフェクターは、COSMを採用し、デジタル技術を駆使して、エレキギターをアコギに近づけようとしています。
つまみの特徴
つまみは左から、2軸つまみの「REVERB」「LEVEL」、それと通常の「BODY」、「TOP」、そしてスイッチ式の「MODE」とあります。
まず「REVERB」は、そのままリバーブですね。アコギは結構リバーブを効かせてミックスされることが多いので、これがあると、かなり雰囲気が出せます。
次に「BODY」、「TOP」。これがあまり聞き慣れないつまみですよね。要は
- BODY=低域をコントロールするつまみ
- TOP=高域をコントロールするつまみ
というような理解でいいかと思います。
そして、最後のMODEですが、STANDARD、JUMBO、ENHANCE、PIEZOの4つがあります。個人的には、STANDARDが一番「ぽい」かなあと思いますが、他の音もなかなか個性的です。
「アコギっぽい」サウンド
さてさて、サウンド面を見てみましょう。
AC-3 Acoustic Simulator [BOSS Sound Check]
このエフェクターの要は「どれだけ、アコギっぽい音が出せるか」というところですが、個人的にはかなり「アコギっぽい」と感じます。
ただし、ここで注意しなくちゃいけないのは、あくまで「ぽい」ということ。
よく聞くと、やはりエレキギターのサウンドが鳴っていますし、そして弾き手側もエレキだという前提のもとに運指やピッキングをしがちなので、出てくるフレーズやニュアンスも、やっぱりエレキのそれになっているように感じます。
なので、このエフェクターは、アコギの完全なる代替品とまでは行かない気がします。
「っぽい」のレベルがかなり高い!
でも、改めてよく聞いてみましょう。「アコギっぽい」のですが、そのクオリティ、相当高くないですか?
本気で聴きに行くとエレキなのは分かるとしても、軽く聞き流しているだけなら、結構「これはアコギですよ」で押し切れてしまうかも…。
なので、ライブやスタジオの現場では、「しっかりアコギ代替品として使う」というよりは、たとえば「セットリストの中の1曲だけ」とか、「楽曲の中の特定のフレーズだけ」とか、そういった局面においては、アコギの代わりに頑張れるような感じがします。
要は「アコギっぽい」で押し切れる局面においては、非常に頼りになる、ということなのですね。
なので、特定のパートのためだけにアコギを引っ張り出すのもなあ…というときは、こいつを足下において置けば万事OK、ということになりそうです。
まとめ
完全にアコギの代わりにはならないかもしれませんが、部分的になら結構いけてしまうこのクオリティ。
そこが気に入れば、このエフェクター、きっと大活躍することでしょう。