以前、当ブログでは、巷に跋扈する、「仲間うちだけで盛り上がるライブイベント」について、問題提起をさせていただきました。
この手のイベントは、SNS等の告知で知ったお客さまが、事情を知らずに来場して、孤立感と不信感だけを覚えて帰ってしまうという点において、非常に罪深いものであると考えています。
前回の記事では、こういった「仲間うちだけのイベントが抱える問題点」について指摘をさせていただきましたが、今回、なぜこのようなイベントが発生し、そしてなくならないかについて、整理をさせていただきます。
- 内輪ノリ・仲間うちだけのライブが横行する理由を知りたい
- 内輪ノリライブの定義を知りたい
- 内輪ノリのライブの問題点について分析してほしい
- お客さまファーストの視点でライブを運営したい
- アマチュア・インディーズライブの問題について考察したい
もくじ
なぜ内輪ノリのライブイベントがなくならないのか
仲間うちだけで盛り上がっているライブイベント…要は「内輪ノリ」のライブイベント。
多くの人が、うすうす前述のブログ記事で掲げたような問題点を認識しているにもかかわらず、その課題が解決する気配は、一向にありません。
なぜ、このようなことになっているのでしょうか。
【理由1】単純に楽しい
これを言ってしまうと身も蓋もないのかもしれませんが、基本的に、「内輪」を構成する、気心知れた仲間たちと過ごしている時間は、単純に楽しいもの。
ましてや、その仲間が、音楽という共通項でつながっているものであるとすれば、そんな仲間と一緒に開催する音楽イベントというのは、当事者にとっては、最高に楽しい時間になるのでしょう。
そんな楽しい時間を過ごしたくて、内輪ノリのライブイベントを開催する。これは、ごく自然なことだと思います。
【理由2】既存の強固なコミュニティがベースになっている
前述の項目と若干重複するところがあるかもしれませんが、この手のイベントは、「音楽という共通項でつながっている仲間」が集まって開催されることになるのが通常です。
その「仲間」は、単に対バンがきっかけで知り合っただけの仲間というのもあるでしょうが、それと同時に、単なる「対バン仲間」だけにはとどまらない、既存の強固なコミュニティがベースとなって構成されている仲間であることが多いような印象があります。
具体的には、おおむね下記のようなパターンが多い印象です。このようなコミュニティがベースになっていると、運営する側としては非常にやりやすいはず。それは、大変よく分かる話でもあります。
ライブバー、飲食店等の経営者と常連客
ライブイベントが開催可能なスペースを抱えるような、いわゆるライブバー。こういったお店では、経営者顔なじみのミュージシャンがたくさんいる関係上、音楽でつながったコミュニティが形成されやすいものです。
こうしたコミュニティでは、よく「お店○周年記念」とか「オーナー生誕祭」といったイベントが開催されていますが、これこそ「内輪ノリイベント」の最たるものだと言ってよいでしょう。
もちろん、そうしたイベントの効用が、関係者ではない一般のお客様に及ぶ限りにおいては、何の問題もないのですが、この手のイベントは、得てして初見のお客さんを置き去りにして、仲間うちだけで盛り上がりがち。
ていうか、初見のお客さんにとって、「オーナーがお誕生日なんです」なんて、はっきり言ってどうでもいい話ですからね。
1年365日あれば、毎日が誰かの誕生日。これまで、これといって接点のなかった人の誕生日を、初見でいきなり「祝え」と言われても…なかなかつらいものがあるのが、正直なところですが…こういったところに想像が及ぶかどうかが、「内輪ノリ」に課題意識を持てているか否かの差かと思います。
なお、ライブバーのほか、バンドや音楽に精通した方が運営する一般的な飲食店が企画するイベントでも、同様の傾向が見受けられます。
大学・高校等の軽音学部やそのOB・OG
大学・高校の軽音学部は、音楽を志すもののコミュニティの第一歩として、非常に重要な役割を果たしています。
ただ、そのコミュニティは、基本的に学校の中で閉じたものになっており、個々のバンドはともなくとして、コミュニティとしては、外部との積極的な交流がなされるようなしくみにはなっていません。
ですので、たまに見かける「一般参加OK!軽音学部OBライブ」みたいなイベントは、「一般参加OK!」と謳われているものの、実際は軽音学部の関係者で占められており、壮大な疎外感を味わえること間違いなしです。
自治会・商店街・飲食店街などの地域コミュニティ
音楽に精通した方が住んでいる自治会における地域活性化策や、集客のてこ入れを図りたい商店街・飲食店街の一大イベントとして、ライブが開催されるというのは、割とよくある話です。
この手のイベントは、関係者による実行委員会方式によって開催されることが多く、第1~2回くらいまでは、比較的オープンなイベントになっているのですが…この手のイベントは、回を重ねるごとに利害関係者の輪が広がって、内輪ノリの要素が強くなりがちです。特に…
- 毎年同じような出場者メンバー
- その出場者メンバーが常に同じような行動をしている
- 当事者である実行委員がライブのメイン出場者として登場
これらの兆候が見られる場合は、限りなくレッドカードに近いイエローカードが出ていると言えます。
また、これらは、内輪ノリのみならず、「イベントの私物化」といった批判を受けることにもつながりかねません。
特に、イベントが協賛金・広告収入・行政からの補助金を得ている場合、それらの資金が「私物化されたイベント」に使われていることについては、スポンサー等への説明責任を果たすこともできず、強く糾弾されてもやむを得ないような状況にあると言って良いでしょう。
【理由3】出場者との調整がやりやすい
ライブを単なる「出場者が順番に演奏する」だけのイベントに終わらせるのではなく、ちょっとしたコーナーを設けてみたいということがあります。
たとえば、出場者同士でコラボ演奏やセッションをしてみるとか、関係者に誕生日を迎える人がいれば、サプライズのハッピーバースデー(前述のように、これこそ「内輪ノリ」の最たるものですが…)を仕掛けるとか…。
こういう「仕掛け」を行おうとすると、当然、一見さんでは調整に手間取るでしょうから、気心知れた「仲間うち」の方が、はるかにやりやすいものです。
【理由4】来場者の見通しを持ちやすい
内輪ノリで開催しているイベントは、複数の出場者・出場バンドが相互に知り合いであるわけですが、この場合、お客さまサイドも、当日の出場者を複数把握していることが多いものです。
ですので、お客さまサイドにとっては「あのバンドと、このバンドが両方出場しているから、今回のイベントは行っておこう」というふうに、積極的にライブに参加するインセンティブが高まりやすい傾向にあります。
このため、出場者サイド…というより、企画者サイドといった方がいいかもしれませんが、そちらの目線に立つと、「一般的なイベントより、来場者を確保しやすい」と言う点において、内輪ノリのイベントは、非常に魅力的なのです。
特に、前述の「既存の強固なコミュニティ」がベースになっているイベントの場合、この傾向は非常に顕著に出ます。ライブイベントというよりは「コミュニティの集会」みたいな感じで、ライブに来てくれるコミュニティ構成員の人が多数見込めるわけですからね。運営の立場でいうと「計算が立つ」わけなのです。
もっとも、この「実質的なコミュニティの集会に、一見さんがうっかり来てしまった」という状況が、実は来場者が一番強く疎外感・孤立感を感じてしまい、ひいてはコミュニティに敵対心を抱いてしまうことになるので、実はこいつが一番罪深いわけなのですが…。
共通するのは「企画者・出場者ファースト」の視点
このように、内輪ノリのイベントがなくならない4つの理由を整理してみましたが、これら4つの理由には、1つの共通点があります。
それは、「企画者・出場者ファースト」であること。
企画者・出場者が楽しいこと、それらが属しているコミュニティがベースであること、企画者がイベントの企画調整をやりやすくなること、集客を見込みやすいこと…。
これらはすべて、「来場者が楽しめるか」という「来場者ファースト」の視点ではなく、あくまで「企画者・出場者ファースト」の視点でしかありません。
欠落する「お客さまファースト」の視点
しかも、これらのイベントが完全無料であればいざ知らず、多くの場合、これらのイベントは、来場者が「チケット代+ドリンク代」として、2,000円~3,000円程度のお金を支払っています。
そう、来場者は「お客さま」なのです。
この「お客さまファースト」の視点が、内輪ノリのイベントには、致命的なまでに欠落しています。
数千円のお金があれば、映画を見ることができますし、本を数冊買うこともできます。中古のゲームを購入することもできますし、あるいはソーシャルゲームで10連ガチャを一回回すことだってできます(これは個人的にはちょっと…と思いますが)。
そういった、他の娯楽に充てることができるお金を、他ならぬ自分たちのライブに向けてくれているお客さまがいるにもかかわらず、主催者側がお客さまの方に視線を向けず、自分たちと、ごく近くにいる一部の人のことだけを考えている…。
こんなイベントが、果たして魅力的だと言えるのでしょうか。少なくとも、数千円の対価を得るに値するイベントだと、胸を張って、堂々と言えるのでしょうか。
【まとめ】共通する理由は「自己都合」…身内以外のお客さまを意識して!
このように、巷でよく見る、内輪ノリのライブイベントについて、「なぜこのようなイベントが横行してしまうのか」を、4つの理由に分けて整理してみました。
その結果、見えてくるのは「自己都合」…すなわち「企画者・出場者ファーストの視点」があまりに強く出過ぎていること。
ですので、運営している側や、そこにごく近いところにいる側の立場としては、これほど楽しい時間はないでしょう。
ただ、そうではない、普通のイベントだと「誤認」して来てしまったお客さまは、このイベントに来たせいで、なんともいえない疎外感を覚えて、帰宅してしまう…。
「そんなん、そっちの勝手じゃん。勝手に来て、勝手に寂しい思いをして帰ってるだけでしょ」
というような主催者側の主張が聞こえてきそうなものですが、そういった寂しい思いをして帰っているお客さまも、きちんと主催者に対価を支払ってその場に来ているという事実を、決して忘れてはいけません。
この「4つの理由」を意識しつつ、ライブイベントの「内輪ノリ化」を未然に防ぐためには、どうすれば良いのか…。
これはまた、稿を改めて、論じてみたいと思います。
「イベントの内輪ノリ問題」は「SSWおじさん問題」に並ぶ、昨今のアマチュア~インディーズ音楽シーンにおける「闇」です。
当ブログは、これらの問題から目をそらすことなく、真剣に向き合っていきたいと思います。
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