ギタリスト・かとうたかこの音楽ブログ
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コラム

大丈夫?音楽イベント、仲間うちだけで盛り上がっていませんか?

10連休真っ只中ですね。

各地で、さまざまな音楽イベントが運営されています。その中には、プロが運営するものもあれば、音楽好きの仲間が集まっている、手作りのものもたくさんあります。

そんな、みんなで作る音楽イベント、とても楽しく、やりがいがあるのですが、少し注意しなければならない点があります。

それは、「仲間うちだけでの盛り上がり」。少し、考察してみようと思います。

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Fredrik Solli WandemによるPixabayからの画像

音楽イベントの運営には「仲間」がいる

音楽イベントの運営、1人だけで取り組むことは実質不可能でして、たとえ業務の一部を外部に委託等をすることがあったとしても、基本的には何人かの「仲間」が集まって、実行委員会方式などで実施するのが一般的かと思います。

そして、その「仲間」は、多くの場合、同じバンド、もしくは同じイベントに対バンで出る機会が多いなど、ともに音楽活動に取り組む「同志」であるのが自然ななりゆきでしょう。

つまり、音楽イベント実施までの間に、既に関係性が相当程度強く構築されている関係、ということですね。

仲間の「絆」の強さは、イベントのデキに直結するのも事実

イベント運営は、もちろんチームワークが非常に重要です。

イベントの企画はもちろんのこと、広報、当日の運営などなど、スタッフ同士の関係性が強固であればあるほど、イベントの目的…ゴールを明確なイメージを持って共有することができます。

それが、イベントの成功につながりやすいのは事実です。

「仲間うち」のイベントが抱える問題点

とはいえ、そうした「仲間うち」の音楽イベント、お客さまや来場者…すなわち「外」の立場で見たときに、いくつかの課題があり、そしてそれらを乗り越えられない…あるいはその課題そのものに気づいていない事案も、残念ながら多々見られます。

以下、それらの問題点をいくつか列挙し、考察してみます。

「一見さん」が入りにくく、疎外感を覚える

音楽イベントのスタッフ・実行委員が身内で固められていると、イベントのクオリティが高まるのは前述のとおりです。

ただし、このことは、イベントの雰囲気として「一見さんが入りにくい」という副作用を伴います。

会場に入った瞬間、周りには既に中の良さそうなグループがたくさんあって、イベント開始前から、スタッフと彼・彼女たちだけで話に花を咲かせている…。

この状況は、一見さんには「イベントへの入りにくさ」として映ります。

「仲間同士で盛り上がっている中、客としてやってきた自分が疎外感を覚える」…。

もし、こう感じたお客さまが多数いらっしゃれば、たとえ音楽イベントが外形上盛り上がっていたように見えても、残念ながらそのイベントは「失敗」と断じざるを得ないでしょう。

出場バンド・ミュージシャンが固定化する

そして、仲間うちだけで企画・運営されている音楽イベントは、得てして出場者も仲間うちだけで固められがちです。

ですので、アコースティック系の仲間うちで企画すれば、弾き語り系のイベントになるでしょうし、メタル系のお兄さんお姉さんが集まれば、HR・HM系のイベントに仕上がることは容易に想像できます。

もちろん、イベントが明確なコンセプトを持つことそれ自体は、むしろ分かりやすくて肯定的にとらえられる向きもあるのでしょうが、そうしたコンセプトで運営していると、そのうちジャンルのみならず、出場者さえも固定化されてしまうことにつながります。

初期の頃は良いのですが、何年か継続した後に、改めて毎年の出場者を振り返ってみると、毎年同じようなメンバー…。

これも、毎年同じメンバーのライブが見られると言う点において、安定感を感じる向きもあるのでしょうが、もし出場者を公募しているイベントであれば、出場メンバーが固定化している状況は、「実行委員のためだけのイベント」にしか見えません。

これでは、運営サイドに対して、不公平感・不信感を募らせてしまうことは間違いなし。

加えて、もしそんな不信感が、TwitterなどのSNSで拡散してしまったら…。イベントそのものにも、ケチがついてしまいます。

そういった意味においても、出場者の固定化は、相当にハイリスクなわけなのです。

ちなみに、イベントの出場者選考に関する考察は、以前、記事にしたことがあります。こちらもあわせてご参照ください。

音楽イベントの審査、どうやったら通る?通らない理由は何?実は、地域の音楽イベントの運営に携わったことがあります。 そのとき、面白くもあり、そして悩ましくもあったのが、「どのバンドを出場す...

やがて来場者も固定化し…イベントは身内のパーティーに

そのようにして、「一見さん」の来場者が居心地の悪さを感じて来なくなったり、出場ミュージシャンの方が固定化したりすると、何が起こるか。

本来「音楽を多くの人と楽しむ」「地域を音楽の力で盛り上げる」といった趣旨で始まったであろうはずの、イベントが、いつの間にか、実行委員たちによる「身内のパーティー」で終わってしまうようになるのです。

身内のパーティーも、音楽を通じた盛り上がりはもちろん感じられますので、一見すると大成功のように感じられます。

でも、そこに「お客さま」の姿はありません。

この状態を持って、果たして、「イベントの成功」と言えるのでしょうか。

まとめ…そのイベント、ホントに「成功」してますか?

ここまで、音楽イベントが、内輪だけで盛り上がっている状況について、その問題点をいくつか提示させていただきました。

これらの問題点には、共通点があります。それは、「外」の人の存在を無視していること。

仲間うちだけで盛り上がっているイベントは、一見すると、すごく楽しそうですし、来場者も出場者もご満悦の様子に見えます。

でも、一方で、SNSやチラシなどで興味を持って来てくれたお客さんが、疎外感を感じて寂しそうに帰ってしまったり、イベントの趣旨に共感して出場を希望したミュージシャンの方が、仲間うちで固められた出場者枠に割って入ることができず、イベントに不信感を感じてしまったり…。

そんな状態のイベントを、果たして「成功」と言えるのでしょうか…?

もし、それでもなお「成功だ!」と主張されるのであれば、それはそれで一つの考え方かもしれません。

でも、もしこの記事を読んで「はっ」とされた方がいらっしゃれば…。

どうでしょう、少しだけ、イベント運営のあり方、見直してみませんか?

かとうたかこ
かとうたかこ
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