本日は、聖飢魔IIのベーシスト・ゼノン石川和尚こと、石川俊介氏のシグネチャーモデルであるアトリエZのベース、SI-395についてレビューさせていただこうと思います。
![ATELIER Z SI-395 (OCAR/JA) [SHUNSUKE ISHIKAWA Signature Model] ATELIER Z SI-395 (OCAR/JA) [SHUNSUKE ISHIKAWA Signature Model]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/416e0Vtog4L._SL160_.jpg)
ATELIER Z SI-395 (OCAR/JA) [SHUNSUKE ISHIKAWA Signature Model]
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圧倒的な実力派・ゼノン石川和尚!
このベースを語る前に、聖飢魔IIのベーシスト・ゼノン石川和尚について語らないわけにはいきません。
1990年代を中心に、その世界観も含めて、圧倒的な存在感で当時のロックシーンを魅了した聖飢魔II。
世間一般には、「蝋人形の館」ばかりが知られてしまっている印象ですが、それ以外にも非常にクールなロックナンバーを多数リリースしており、各パートともに、テクニカルな中にも単なるハイテクプレイにとどまらない地に足のついたプレイは、現在にも数多くのフォロワーを残しています。
とりわけ、少しベースを高めに抱え、グルーヴィーでハイファイなベースサウンドで、聖飢魔IIのボトムを支えるゼノン石川和尚の存在感は絶大でした。
ライブ(聖飢魔IIでは「ミサ」と呼ばれます)中に、ドラマーのライデン湯澤殿下とともに繰り広げられる「モンスターリズムセクション」は見応え抜群。
聖飢魔Ⅱ THE MONSTERS' RHYTHM BATTLE ~XENONの羽化のための即興曲~
また、聖飢魔IIの中でとりわけベースが印象的な楽曲と言えば、「闘う日本人」。ベースリフが終始楽曲を支配しています。
そんなゼノン石川和尚、現在は人間の姿で「石川俊介」として、さまざまな活動をされています。
今回ご紹介するのは、そんなゼノン石川和尚(石川俊介氏)のベースです。
ベースの仕様…ハカランダ指板が目を引く
ということで、ゼノン石川和尚氏のシグネチャー、SI-395。仕様を早速見ていきましょう。
ぱっと見は、赤いボディに、5弦のジャズベースタイプ。初期状態だと、フロントピックアップにはフェンスが取り付けられています。
そして、中身を見ていきましょう。
まず、ボディ材はアッシュ2ピース。そしてネックはメイプルで、指板にはハカランダが使われています。ハカランダは系統的にはローズウッド系に属しますが、木目の美しさと、そして何より貴重さが特筆すべきところ。
ハカランダはブラジリアン・ローズウッドと呼ばれ、概ね1965年ごろまでのギブソン・フェンダーにおける「ローズウッド」といえばこのハカランダだったわけなのですが、その後、ワシントン条約の規制等で入手が困難になり、それゆえに現在この木材が使われている楽器というのは、非常に貴重なものになるということなのです。
電装系はアトリエZらしさたっぷり!
そして、このベース、アクティブタイプなのですが、まずプリアンプには、アトリエZのオリジナルプリアンプである、EQ-Mが搭載されています。
コントロール系は、フロント・リアのボリュームに、プリアンプのオン・オフ、トレブル・ベースのイコライザーのみと、最近のハイテク系ベースにしてはシンプルな作り。個人的には、ベース本体のコントロールとしては、これくらいシンプルな方が、分かりやすくて良いと思っています。
ピックアップも、 アトリエZのジャズベース向けオリジナルモデル、JBZ-5が搭載されています。
ということで、電装系については、アトリエZらしさがふんだんに取り込まれたモデルであると考えて良いでしょう。
さすがアトリエZ!少し触っただけで分かる抜群のプレイアビリティ
さて、そんなゼノン石川和尚モデル。弾いてみたときの印象はどうでしょうか。
まず、しっかり弾き込む前に、少し触ってみた印象なのですが…さすがアトリエZという感じのプレイアビリティの高さが、よく分かります。弦高も無理のない範囲で低く、スラップのプルが非常にやりやすい。
そうしたプレイアビリティの高さもあってか、このベース、5弦ベースではあるのですが、そのウィークポイントとして知られる「指板の広さ」「弾きにくさ」を感じることが、あまりありません。
もちろん、同じアトリエZの4弦モデル…たとえばM#245と比較すると、「ああ、やっぱり5弦だなあ」と感じさせる面はありますが、世間一般の5弦ベースと比較すると、相当に弾きやすいと感じるのではないでしょうか。
これぞゼノン石川和尚!ハイファイで図太いサウンド
そして、サウンド面。こちらも、アトリエZらしい、ハイファイで図太いサウンドが、しっかりと感じられます。
とりわけ、ゼノン石川和尚と同様、指弾きでグルーヴィーなサウンドを奏でたり、スラップで存在感を放とうとしたときに、強烈なインパクトを残せることは間違いなしです。
他方で、アトリエZのベースの特徴といえるドンシャリさについては、このベースについては若干軽減されているように感じます。このあたり、ハカランダ指板が若干サウンドを落ち着かせているのかなあ…というふうな想像もできるところですね。
ちなみに、アトリエZのベースクリニックにおいて、ゼノン石川和尚こと石川俊介氏がこのベースと思われるベースを弾いている様子を見ることが出来ます。
価格は30万円超…少しお高めだが、プレミアムベースとしてはお安め?
さて、そんなゼノン石川和尚モデルのSI-395。
ネットで見ているだけでも欲しくなるし、実際に弾いてみると、ますます欲しくなる、素晴らしいベースなのですが、気になるのは価格。
このベース、市場販売価格は、概ね30万円台くらいになっています。
正直、なかなか気軽に買える価格帯ではありませんが、一方で、国産のプレミアムタイプのベースや、あるいはフェンダーカスタムショップのベースだったりすると、普通に40~50万円、あるいはそれ以上のものもたくさん出てくるところ。
そうした中にあって、アトリエZのプレミアムタイプともいえるこのゼノン石川和尚モデル、これが30万円台というのは、実は結構お買い得なのではないか…とも思えてしまうほどです。
【まとめ】さすがのクオリティ!ゼノン石川和尚ファンも、それ以外にも!
このように、このゼノン石川和尚モデルのベース、SI-395については、氏の特徴である「ハイファイで図太いサウンド」を、アトリエZらしい技術でしっかり作り出し、サウンドそのものはもちろん、プレイアビリティ面でも高い評価が出来る一本であることが確認できました。
もちろん、ゼノン石川和尚のファンにとっても、非常にオススメな一本なのですが、これだけハイクオリティなベースが、30万円台で買えるとなると、実はこのベース、プレミアムグレードのベースを普通に探している人にも、とってもオススメだったりします。
また、サウンドも通常のアトリエZのラインナップと比べると落ち着いた雰囲気に仕上がっており、「M#245だと暴れすぎるかなあ…」というような方にも一考の価値があるモデルです。
あまり市場に出回っていないモデルではありますが、もし見かけたら、ぜひ、ご検討くださいませ。
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