本日は、Rolandのスマートフォン向けオーディオインターフェイス、GO:MIXERについてレビューしようと思います。
- スマホ向けのシンプルなオーディオインターフェイス
- iPhoneでもAndroidでも簡単に接続OK!
- 宅録よりも「弾いてみた」動画で本領発揮!
- 価格は衝撃の1万円…品薄になるのも納得です
- Sonic Portとの比較は…一長一短かな?
- 【まとめ】気軽な「弾いてみた」動画のマストアイテム!
スマホ向けのシンプルなオーディオインターフェイス
このGO:MIXER、「ミキサー」という名称がついていますが、商品コンセプトとしては、どちらかというと、「スマホ向けのシンプルなオーディオインターフェイス」ということになります。
まず、サイズ感ですが、手のひらサイズで、非常にコンパクトになっています。ですので、一般的な多機能ミキサーというよりは、必要最小限の機能をコンパクトにまとめたオーディオインターフェイスとしての使い方になるのが通常かと思います。
入力としては、
- ギター・ベース
- マイク
- ステレオミニプラグ×2
- キーボード(L/R)
が用意されており、このうちステレオミニプラグ以外についてはGO:MIXER上で直接入力をコントロールするつまみがついてます。
そして、出力としては、モニターアウトが1つあるのと、USB端子があり、これを使ってスマホに音声を出力することが可能になっています。
iPhoneでもAndroidでも簡単に接続OK!
このUSB端子を使ったスマホへの接続なのですが、GO:MIXERの付属品としてiPhone・Androidに対応したケーブルが用意されております。
他のスマホ対応オーディオインターフェイスの場合、Lightning-USB3カメラアダプタが必要になってしまい、追加的な出費と配線の複雑さが気になってしまいます。
ところが、このGO:MIXERであれば、そのあたりを気にすることなく、簡単に接続することができるようになっています。
細かいところではありますが、このあたりの使い勝手の良さは、日常使いをするときに、非常に効いてきたりするのです。あなどれないポイントですよ。
宅録よりも「弾いてみた」動画で本領発揮!
さて、このGO:MIXER、ここまで見てきたように、ミキサーとしての機能は備えてはいるものの、一般的なミキサーに比べると入出力チャンネル数もそれほど多くありません。
また、接続先も主にスマートフォンが想定されているので、たとえば本格的な宅録などで使うことも、それほど想定されていないように感じます。
ではこのGO:MIXER、どんなときに使えるかというと、それは「弾いてみた」動画。
「弾いてみた動画」を気軽に撮ろうとすると、スマホのカメラでそのまま…というのが真っ先に想像されますが、スマホの内蔵カメラで撮れる音質は正直、決して良くはありません。
かといって、パソコンとオーディオインターフェイスを使って大々的に撮ろうとすると、配線やシステムが複雑になる上、撮影した動画との結合なども手間になってしまいますので、気軽に動画を楽しむことはできなくなってしまいます。
ところが、このGO:MIXERであれば、スマホにこれをつないで、これにギター等の楽器をつなぎ、必要に応じてステレオミニプラグ等からオケを流してやるだけで、楽器演奏の音をラインでスマホに送ってやることができるようになり、弾いてみた動画のサウンドクオリティが一気に向上します。
スマホで簡単!演奏動画の作り方!(Roland GO:MIXER)
もちろん、本格的な撮影システムと比べてはいけないのでしょうが、簡単なセッティングでありながら、スマホ内蔵マイクを大幅に上回るサウンドを実現できるという、この費用対効果の良さが、このGO:MIXERの最大の売りです。
1本1本の動画のクオリティを追い込んでいくというよりは、たくさんの動画を気軽に撮影して、その中でコミュニケーションをとっていくスタイルの配信者さんに向いていそうな機材ですね。
価格は衝撃の1万円…品薄になるのも納得です
そしてこのGO:MIXER、先ほど「費用対効果」という言葉を使いましたが、価格面においても費用対効果は抜群です。
なんとこのGO:MIXER、実売価格は約1万円程度。
「気軽に『弾いてみた動画』を撮りたい」という人にとっての必要最小限の機能を、余すことなく盛り込んだ上で、この価格。コストパフォーマンスは抜群です。
本稿執筆の2020年5月時点においては、ミュージシャンがライブハウスで活動を行うことが難しく、自宅配信系の機材に人気が集まっているという状況もあって、特に慢性的な品薄が続いています。
Sonic Portとの比較は…一長一短かな?
ところで、スマホ向けのシンプルなオーディオインターフェイスというと、当ブログでは以前、LINE6のSonic Port VXをご紹介しています。
このSonic Portは、基本的にはiOSだけに対応しており、Android端末には非対応なのですが、iOS機器であればこれら両者を比較検討することが可能です。
この場合、Sonic Port VXであれば、Mobile Podを活用したギター・ベースの音作りができる点はアドバンテージになりますが、一方で、接続した機材のボリューム調整が本体のみではできない点においては不利になります。
音作りに余計な機材を使いたくないというのであればSonic Portの方がシンプルな配線になりますが、お気に入りのエフェクターやプリアンプを使う予定がある場合は、ミキサー機能を本体で活用できるGO:MIXERの方が便利かもしれません。
どのような機材を、どのようにセッティングするかで、どちらの方がオススメかは変わってきますので、この点、購入前によくシミュレーションしておいた方が良さそうですね。
【まとめ】気軽な「弾いてみた」動画のマストアイテム!
このように、このGO:MIXERについては、ミキサーやオーディオインターフェイスとしては必要最小限の機能にとどまっているのですが、その「必要最小限」は、気軽に「弾いてみた」動画を撮る際においては、「必要にして十分」なものをすべて備えており、非常に便利なアイテムになります。
最近の音楽制作は、単なる宅録による楽曲にとどまることなく、動画としてYouTubeやTwitterで披露していくことが主流になりつつあります。
一見すると非常に敷居が高く見える活動ではありますが、それをこのGO:MIXERはきわめてシンプルな形で楽しませてくれることができる…というわけなのです。
非常に品薄ではありますが、弾いてみた動画に興味のある方は、ぜひ購入を検討していただければと思います。