本日は、Darkglassのベース用プリアンプ、VINTAGE ULTRA V2についてレビューしてみようと思います。
- Darkglass Vintage Ultra V2の評価を聞きたい
- Vintage Ultra V2とMicrotube B7Kの違いを知りたい
- 真空管のニュアンスを持ったプリアンプが欲しい
- Darkglassの品質でヴィンテージサウンドを奏でたい
- Vintage Ultraを使った音作りについて考えたい
もくじ
Darkglassのプリアンプといえば…
Darkglassといえば、黒い筐体でおなじみ「Microtube B7K」「B3K」を真っ先に思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。


原音のベースサウンドを活かしながらも、それをパンチのある音に変え、そして歪ませてみるとかなりダークなサウンドを作り出すことが出来る…。多くのベーシストに愛用されている、大ヒット中のプリアンプです。
今回紹介する「Vintage Ultra V2」は、どのような特徴をもつのでしょうか。
基本的なしくみはB7K Ultraと同様
今回紹介するVintage Ultra V2は、外形上はB7Kの色違いに見えます。つまみの数などはB7K Ultraと同じで、筐体の色がB7Kの黒に対し、こちらVintage Ultraは白。

まず、筐体にある2つのスイッチですが、右側の「BYPASS」と書かれた方がプリアンプのオン・オフ、そして左側の「DISTORTION」と書かれた方が、歪みのオン・オフの切り替えです。ですので、このプリアンプは、2ch仕様という形で使っていくことができそうですね。
また、XLR端子が搭載されており、DI兼プリアンプとしても使っていけるあたりも、B7Kと共通の仕様です。
特徴的なつまみと金属スイッチ
そして、筐体には2行×4列、合計8つのつまみがあります。左上がマスターボリューム、そしてその下にある4つのつまみは、「BASS」「LO MIDS」「HI MIDS」「TREBLE」の4バンドイコライザーです。
そして、このイコライザーの効きに大きく影響を与えるのが、4つの金属製スイッチ。
まず、左上の「ATTACKスイッチ」は、高音域をコントロールします。ブースト、フラット、カットを選ぶことができ、どの部分がそれに該当するかは、は筐体に示された図から読み取ることができます。線が上に上がっているのがブースト、下に下りているのがカットですね。
次に右上の「GRUNTスイッチ」ですが、こちらは同様に低音域についてブースト、フラット、カットを選ぶことができます。
下の2つ、「LO MIDS」「HI MIDS」のスイッチは、それぞれ、ローミッドとハイミッドのイコライザーが効く帯域を設定するものです。
これらを活用すると、相当に細かく音作りを追い込んでいくことが可能になります。こだわり派のベーシストさんにとっては、非常に助かる仕様ではないでしょうか。
「DISTORTION」スイッチと右上のつまみで歪みをコントロール
そして、右上にある3つのつまみ。
これらはそれぞれ、「BLEND」「LEVEL」「DRIVE」となっており、一般的な歪みエフェクターと同様の使い方をしていくことになります。ベースの歪みでは定番となる「BLEND」も、しっかり搭載されていますね。
これらのつまみは、左下の「DISTORTION」スイッチがオンのときに限り反応します。ですので、たとえばゲインを控えめにしてレベルを上げておけば、DISTORTIONスイッチをブースター的に使ったりもできるようになるわけですね。
サウンドは…中域に温かみのある、ヴィンテージ系サウンド
さて、そんなVintage Ultra V2のサウンドを聴いてみましょう。
Darkglass Vintage Ultra V2 | Tone Zone
「Darkglass」という言葉が持つ印象、そして大ヒット商品である「B7K」シリーズの印象を覆す、非常に落ち着いたサウンドが印象的です。
傾向で行くと、ベースサウンドの原音を最大限に尊重しつつも、中域に特徴があり、まるで真空管ベースアンプを使っているかのような温かいサウンドを鳴らしている琴が分かります。
指弾きのときには、柔らかいながらも、どこかにパンチを残したサウンド。ピック弾きのときには、バンドのグルーヴ感をリードする、少しエッジの立ったサウンド。スラップのときには、ローミッドの効いたサムピングと適度にハイの立ったプルが映えるサウンド…。
どのようなプレイスタイルであっても、おいしいところをフルに引き出してくれる、プリアンプのお手本のような音作りが可能になっています。
歪みサウンドも好印象!真空管アンプのような自然な歪み
また、ディストーションサウンドをオンにしたときのサウンドも非常に好印象。
この手のプリアンプ、歪みチャンネルの歪み方が激しすぎて、なかなかバンドに持ち込みにくい…というものが多い中、このVintage Ultra V2は、歪み方が本当にちょうど良く、まさに真空管アンプがギリギリ歪み始めてきた…くらいのサウンドを、見事に作り出すことができます。
これであれば、バンドサウンドの中に持ち込んでも、うまく溶け込んでくれます。本に、実戦的なベーシストのことをよく考えて作られたプリアンプだなあ…と思わずにはいられません。
個人的には、「BLEND」が12時、「DRIVE」つまみを9~10時くらいにしているときの歪み方が大変好みです。これくらいのサウンドが、弾いていて気持ちよく、かつバンドサウンドにもうまくなじむ、絶妙なバランスではないかと思います。
ボタンには「DISTORTION」と書かれていますが、実際は軽めのオーバードライブくらいのつもりで使えるくらいの感じですね。軽めのオーバードライブを作るのがベースの歪みエフェクターではなかなか難しいので、これは本当に貴重です。
このあたり、すさまじい歪みを作り出すことが出来るB7Kとは、完全にコンセプトが分けられているのを、改めて感じます。
【まとめ】真空管ライクな高品質プリアンプ。
このように、このDarkglass Vintage Ultra V2は、一般的なDarkglassのイメージとは少し異なる、ヴィンテージ指向で、真空管アンプを自然に歪ませたような、温かいサウンドを、その売りにしています。
ある意味で、一番「Darkglassらしい」B7Kが、どちらかというとモダン指向に振っている中で、このVintage Ultraの方は、かなりナチュラルなサウンドになっておりますので、「Darkglassのプリアンプには興味があるけど、B7Kだと少し過激なんだよなあ」という方に、これはまさにピッタリはまります。
むしろこれ、Darkglassの他商品と比較するというよりは、どちらかというと、アギュラーのTone Hammerなどのような、原音をリッチに仕立て上げる系のプリアンプとも競い合うような関係にあるのかもしれません。
落ち着いた、上質なベースサウンドを作り上げたい方に、このVintage Ultra V2、とってもオススメです。