ギタリスト・かとうたかこの音楽ブログ

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【レビュー】Fender MAMI Stratocaster…SCANDAL・MAMIモデルのストラト。

本日は、日本製フェンダーからリリースされている、SCANDALのギタリスト・MAMIさんのシグネチャーモデル「Fender MAMI Stratocaster」についてレビューさせていただきます。

 

 

パワフルで美しいガールズバンド・SCANDAL

SCANDAL。ご存じの方も多いと思いますが、念のため。彼女たちは、関西出身の女性4人組で構成される、ガールズロックバンドです。

 

一見、今風のキレイめな女の子たちが集まっているだけのように見えるのですが、メンバー全員がしっかりと楽器を弾き、そしてそのサウンドはパワフルでキャッチー。フェンダーからシグネチャーモデルが出せているわけですから、サウンドはもはや折り紙付きであるといっても過言ではないでしょう。

 

ちなみに、このブログでは、TOMOMIさんのベースを既にレビューさせていただいております。

www.tk-guitar.com

 

MAMIモデルのストラト…その概要は?

さて、今回ご紹介するのは、MAMIさんモデルのストラトキャスター。まずは、外観と、全体的なスペックを見ていきましょう。

 

ルックスは、まず目を引くのが、なんとも鮮やかな赤いボディに、マッチングヘッド、パール柄のピックガード、そして各所に散りばめられたゴールドパーツという、圧倒的に派手な雰囲気。なるほど、確かにSCANDALのキャラに良く似合ったデザインになっていると思います。

 

でも、一方で、その中身をよく見ていくと、70年代系の雰囲気が漂う、CBSロゴが載せられたラージヘッドにメイプルネック、ボディ材はアルダーと、そこはやはりストラトがベースになっているだけあって、基本的な部分は意外とコンサバだったりもしているようです。

 

最近は珍しい?テキスペ搭載のストラト

そうした中、スペック面で目を引くのが、ピックアップにカスタムショップ製のテキサススペシャル(Texas Special)を搭載していること。

 

テキサススペシャルといえば、特に中域にパワーを感じさせる、比較的ワイルドなシングルコイル。もともとはスティーヴィー・レイ・ヴォーンのために作られたピックアップだと言われていますが、低音弦をブリブリ言わせる、弾けるような威勢の良いサウンドは、ブルース系のみならず、ロック系のギタリストにも高い評価を得ている一品です。

Fender ピックアップ Fender® Texas Special™ Strat® Pickups

Fender ピックアップ Fender® Texas Special™ Strat® Pickups

 

 

そうした、分かりやすい格好良さを有するこのテキサススペシャルは、一時の旧フェンダージャパンにおいては多数搭載されていたのですが(カスタムショップ製ではないテキスペなので、同じものだと評価してはいけないという話もあるようですが)、現在の日本製フェンダーに搭載されることはなく、またUSA製の各種ストラトでもあまり使われていないので、最近は一時ほど頻繁に名前を聞くピックアップではなかったように思います。

 

そうした中で、このMAMIさんモデルにテキサススペシャルが搭載されているのは、非常に興味深く、特に旧フェンダージャパンで育った世代のギタリストさんにとっては、ある種の懐かしささえ感じるのではないでしょうか。

 

サウンドは…テキスペの良さが前面に出ている

さて、そんなMAMIさんモデルのストラト、実際に弾いてみると、どんな音が鳴るのでしょうか。


Fender Mami Stratocaster - Demo

 

とにかく印象に残るのは、低音弦の「ガリッ」「ブリッ」としたような、弦の弾ける雰囲気が、非常に強く出ていること。

 

そう、この特徴、まさにテキサススペシャルのそれなのです。

 

MAMIさんモデルということで、どうしてもSCANDALのあの現代的な雰囲気や、各種楽曲を頭に浮かべるところもあるかもしれませんが、実はこのギター、60年代後半~70年代のストラトを元気に鳴らす感じの雰囲気を、非常に強く持っています。

 

ですので、実はこのギターとの相性が良いのは、サウンド面に特化する限りにおいては、ストラトをオーバードライブさせて、渋めにロックサウンドを決めたい系のギタリストさんだったりするのです。

 

TOMOMIモデルのプレベと共通する方向性 

思えば、TOMOMIさんモデルのプレシジョンベースも、SCANDALのキャラとは少し違う、どちらかというとヴィンテージ指向に寄せた1本でした。

 

そう考えると、これら2本については、楽器の方向性を現代的にするというよりは、どちらかというとヴィンテージ楽器へのリスペクトの方が強く出ているということができるでしょう。

 

もちろん、一方でルックスにはこだわって、シグネチャーモデルらしさも醸し出している、と。

 

価格は15万円弱…内容を考えるとむしろ安い?

そんなMAMIさんモデルのストラトですが、市場価格はおおむね15万円くらいであることが多いようです。

 

一般的な日本製フェンダーのHybridストラトキャスターが12万円前後であることを考えると、少し価格帯としては上になりますが、カスタムショップ製のテキサススペシャルが搭載されていることを踏まえると、まあ、妥当な金額かな、という気もしてきます。

 

ちなみに、フジファブリック・山内さんモデルは、カスタムショップ製ピックアップ(こちらはFAT 50sですが)が搭載されているという点においては共通していますが、ボディがバスウッドということもあって、MAMIさんモデルより少し価格は安めの、おおむね13万円台です。

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赤いカスタムショップ製PU搭載のシグネチャーモデルという点では共通していますが、落ち着いた感じの山内さんモデルと、ヴィンテージ指向ながらも少し元気なMAMIさんモデル。ここは、自分の目指すサウンドがどこにあるか、という視点で選んでいただけると良いかな、と思います。

 

まとめ…テキスペを手軽に味わえる、モダンでヴィンテージなストラト。 

このように、今回ご紹介したMAMIさんモデルのストラトキャスターは、ルックスこそ非常に派手で、きわめてモダンな印象を受けるものの、実は70年代ストラトをベースにしつつ、カスタムショップ製のテキサススペシャルを搭載することで、渋めにロックしたいギタリストさんにオススメのギターである、ということが言えます。

 

ルックスがかなり派手であるがゆえに、手にすることに躊躇される方もいらっしゃるかもしれませんが、実際はかなり幅広いジャンルで使っていける、非常に懐の深いギターです。

 

また、2019年時点において、テキサススペシャルを気軽に楽しめるギターという点においても、このMAMIさんモデルは非常に貴重ではないかと思います。

 

SCANDALファンの方はもちろんですが、そうでない方にとっても、ぜひ一度、弾いていただきたいギターです。