ギタリスト・かとうたかこの音楽ブログ

楽器レビューのほか、音楽をテーマにブログを書いています。

【レビュー】Fender Made in Japan Heritage 60s Precision Bass

本日は、日本製フェンダーの新ラインナップ、Made in Japan Heritageシリーズから、60年代向けのプレシジョンベースについて、ご紹介させていただこうと思います。

 

 

 

日本製フェンダーのヴィンテージ系ラインナップ

今回ご紹介するMade in Japan Heritageは、日本製フェンダーのラインナップの中では「ヴィンテージ系の上位グレード」に相当します。

 

こちらの概要については、以前当ブログでも、速報的にご紹介をさせていただいたところです。

www.tk-guitar.com

 

詳細は上記リンクから当該記事をご覧いただければと思うのですが、端的に言うと、「日本製のクオリティで、ヴィンテージ系フェンダーの楽器を作り込みました」というのが商品コンセプトになります。

 

これまでのMade in Japan Traditionalについては、ヴィンテージ系を指向しつつも、どうしてもコストカットの形跡が見られたところ、今回のこのHeritageシリーズについては、妥協することなく、日本製のクオリティで、本気のヴィンテージ系フェンダーを再現しにいった、というわけですね。

 

本格的に60年代プレベを再現

そんなHeritageシリーズのラインナップに置かれている、60年代プレシジョンベース、「Made in Japan Heritage 60s Precision Bass」。

 

当然、ルックスは典型的な60年代プレベのそれを、見事なまでに再現しています。とはいえ、このあたりはTraditionalシリーズでも同様でした。

 

ではどの当たりが違うかというと、まずは木材。Traditionalシリーズでは、おそらくコストカットの面も意識しながら、バスウッドが用いられているわけなのですが、このHeritageシリーズは、実際の60年代プレベと同様に、アルダーを採用しています。

 

また、塗装についても、Traditionalシリーズのウレタン塗装ではなく、こちらHeritageシリーズではラッカー塗装が採用されており、このあたりも60年代プレベに近づけようとしています。

 

このほか、ヴィンテージスタイルのフレットを採用していたり、指板のラジアスは7.25インチRだったりと、どちらかというとプレイアビリティよりもヴィンテージの再現に力を入れている様子がうかがえます。(USA製フェンダーのAmerican Originalは、9.5インチRで、むしろフラットに作ってますからね)

 

手にしたときの高級感は歴然

さて、そんなMade in Japan Heritage 60s Precision Bassですが、手にしてみると、第一印象として「高級そう…」という感じがうかがえます。

 

これまでの日本製フェンダーではあまりないラッカー塗装と、日本製フェンダーならではのきめ細かい仕上げが見事に調和し、一見してただならぬ楽器の雰囲気を漂わせているのです。

 

もちろん、Traditionalシリーズも非常に素晴らしい仕上げではあるのですが、Heritageシリーズは同じ日本製とはいえ、ちょっと格が違う印象です。

 

サウンドは…ヴィンテージらしさを見事に具現化!

この、Made in Japan Heritage 60s Precision Bass。スペックとルックスは非常に期待が持てますが、サウンドの方は、果たしてどうでしょうか。

 

 

まず、音を出したときの第一印象としては「木の音が鳴っている!」という感じ。このあたり、まさにヴィンテージ系のプレベに、多くの人が求めているサウンドだと思います。

 

素朴だけど、非常にガッツのあるサウンド。特に指弾きをすると、プレベらしいサウンドが満喫できること間違いなし。

 

よく、旧フェンダージャパンを含む日本製フェンダーについては、総じて「良いんだけど、どこか膜がかかったような音」というようなことを言われていますが、このMade in Japan Heritageシリーズのプレベについては、そうした日本製フェンダーのネガティブなポイントが、ほとんど感じられない印象です。

 

「プレベのサウンドが欲しければ、USA製かメキシコ製のフェンダー一択」というような話をよく効きますが、このHeritageシリーズについては、そこに割って入れる、プレベらしさを十分に持っていると言えそうです。

 

日本製としては少し高めの価格も納得…

このMade in Japan Heritage 60s Precision Bassですが、市場価格は概ね16万円程度になっているようです。

 

10万円前後が相場のTraditionalシリーズと比べると、少し高く感じてしまうところがありますが、一方でこれまで見てきたように、同じ日本製とはいえ、このHeritageシリーズ、明らかに格上です。

 

内容を見ると、きわめて順当な価格かなあ、と思います。

 

 

【まとめ】ありそうでなかった「日本製のヴィンテージ系プレベ」。

このように、今回ご紹介したMade in Japan Heritage 60s Precision Bassは、日本製らしいクオリティをもって、ヴィンテージ楽器の良さを具現化しようとした、非常に意欲的な作品だと思います。

 

ヴィンテージ楽器の価格がどんどん高騰し、また楽器としてのメンテナンスが難しくなってくる中、そうしたヴィンテージ楽器の良さを手頃な価格で味わわせてくれるというのは、非常にありがたい話です。

 

特にプレベについては、シンプルな楽器であるがゆえに「本家フェンダー」の存在感が非常に大きいわけですが、その「本家」のサウンドを、日本製でもしっかり味わわせてくれるというのは、非常に大きいです。

 

ありそうでなかった、日本製の本格的なヴィンテージ系プレベ。ぜひ、多くの方に弾いていただきたい一本です。