今回は、BOSSの歪み系エフェクター、BOSS ML-2 Metal Coreをご紹介します。
- メタルで使えるディストーションを探している
- デジタルでよく歪むコンパクトが欲しい
- ノイズが少ないハードなディストーションが欲しい
- MT-2とML-2の比較をしてみたい
もくじ
COSMを活用したメタル系ディストーション
名前に「メタル」を冠し、筐体は漆黒、そしてラメの輝き…そう、どこからどうみても、メタル系のハイゲインディストーションです。
このML-2は、2007年に発売され、当時「デジタルでコンパクトを作る」というコンセプトのもとに、BOSSの技術・COSMを活用して開発され、ファズのFZ-5(Fuzz)、そしてオーバードライブ系のDN-2(Dyna Drive)とともにリリースされたもの。
面白いのが、一番汎用性のありそうなDyna Driveのみが生産終了となっており、FuzzとこのMetal Coreは今でもしっかり生きている、ということなんですよね。

論点は「メタルゾーンとの比較」
閑話休題。このML-2 Metal Coreに関して言うと、1991年にリリースされ、今でも多くの人に使われているハイゲインディストーション、そう、あのMetal Zoneとコンセプトはまともに競合しているように見えます。

そういった中で、このML-2は、メタルゾーンとの比較において、果たしてどのような差を打ち出してくるのか。購入を迷われている方が気になっているのは、きっとそこだと思います。
デジタルかアナログか…それが問題だ
このあたりは好みもあるかもしれないのですが、私個人としては、
- MT-2 Metal Zone:アナログならでは(?)のウォームさ
- ML-2 Metal Core:デジタルならでは(?)のクールさ
という特徴があるかなあ、という印象があります。
先日のブログで、メタルゾーンについては、実は音作り如何によってはオールジャンルに使えてしまうのでは…というような評価を書いたのですが、そのオールジャンルで使える理由の1つに、音の温かみというか、イコライジングによってはサウンドの「角を取る」ことができる点があると思っています。
そして、これはアナログだからなのかもしれませんが、サウンドにどことなく温かみというか、いい意味でのファジーさがある。
デジタルならではのクールさとノイズレス感
一方、今回紹介しているメタルコアの方は、そういった温かみがなく、すごくクールで、金属的な音がするという印象があります。このあたりがデジタル回路の特徴なのかもしれません。トーン系のつまみは「LOW」と「HIGH」の2つしかありませんが、それゆえに、どう音作りをしても、出てくるのはやはりメタル系。その代わり、「これぞメタル!」という雰囲気が漂っているので、メタル特化でいくなら、Metal Coreに優位性があるような印象を受けます。
あと、このMetal Core、メタルゾーンの弱点であるノイズを、相当程度克服しています。このあたりも、デジタルの強みでしょうか。
メタル特化ならML-2、幅広く使うならMT-2
ということで、まとめますと、
- メタル特化の歪みを探しているなら、その分野では扱いやすいMetal Core
- メタル以外でのジャンルでも使うならMetal Zone。ただしノイズに注意
というような整理になるのかな、と思います。
メタルコアとメタルゾーンは使い分けができる!
今回はMetal Coreのレビューではありますが、このレビューをしようとすると、どうしてもMetal Zoneに触れないわけにはいかないので、結果として両者を比較するような記事になってしまいました。
ただ、こうして改めて両者を比較して分かったのですが、これら両者が、現在、2019年4月時点において両方現役商品のラインナップに並んでいることには、しっかりした理由があったんですよね。
そう、「メタルコアとメタルゾーンは使い分けができる」。
場合によっては、両方持っていてもいい、そんなタイプのエフェクターなのかもしれません。