2020年、最初の記事。今年もよろしくお願いいたします。
さて、本日は、Epiphone(エピフォン)のレスポールシリーズから、「Epiphone Les Paul Custom Pro」について、レビューさせていただきます。
- ギブソン直系・エピフォンのレスポール
- 憧れの「レスポール・カスタム」がこの価格?
- コストカットと独自仕様を盛り込んだ「レスポール」
- サウンドは…結構使える!5万円台のギターとは思えない!
- ゴールドパーツゆえにピックアップ交換が悩ましい
- 【まとめ】ルックスのカスタム、改造のベースとしてのスタンダード。
ギブソン直系・エピフォンのレスポール
エピフォンといえば、現在、ギブソン直系ブランドとして、主にギブソンのギターの廉価版を作っているメーカーです。
基本的には中国産という形にしてコストを下げている一方、ギブソン直系であることによって、正式に「レスポール」等といったギブソンのギター名称を名乗ることができているのが特徴です。
当ブログでも、過去にエピフォンのギターについて、いくつかご紹介させていただいています。
憧れの「レスポール・カスタム」がこの価格?
さて、今回紹介させていただくのが、エピフォンブランドのレスポール・カスタム。
このレスポール・カスタムは、基本的にはレスポールのスタンダードを踏襲しているのですが、カラーリングが漆黒や純白だったり、ゴールドパーツがふんだんに使われていたりと、とにかくルックス面に特徴のある、レスポールの上位グレード的な位置づけです。
そんなレスポールカスタム、ギブソンブランドで買うと、50万円程度を覚悟しないといけないところですが…

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エピフォンブランドになると、なんと6万円弱にまで価格が落ちてきます。

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中国産ということでコストダウンを図っているのは周知の事実ですが、実に10分の1まで価格を下げてきているとなると、「ホントに大丈夫か?」となりそうなものですよね。
コストカットと独自仕様を盛り込んだ「レスポール」
このようなコストダウンが実施できている理由としては、もちろん生産国の差に起因しているところが非常に大きいのですが、木材のクオリティやパーツにおけるコストカットの影響も非常に大きいです。
その中でも、とりわけ象徴的に語られるのが、エピフォンのレスポールに搭載されたピックアップ、ProBucker(プロバッカー)。これは、ギブソンのバーストバッカーを、エピフォンにおいて低価格で再現した、というのが売りのピックアップ。ギブソンと同等の色気…はさすがに望むべくもないのですが、サウンドの方向性はバーストバッカーそのものです。
一方で、エピフォンのレスポールにあって、本家ギブソンにはないのが、コイルタップ機能。これのおかげで、必要に応じてシングルコイルのサウンドを出すことができます。もちろん、ストラトのような鈴鳴り感までもが出せるわけではないのですが、ハムバッカーのパワー感が不要な局面においては、これが大いに役立ちます。
サウンドは…結構使える!5万円台のギターとは思えない!
さて、そんなエピフォンのレスポール・カスタム。サウンドを聴いてみましょう。
Epiphone Les Paul Custom Pro Review/Demo
もちろん、本家ギブソンのレスポールが持つような、独特の色気までもを再現できているわけではないのですが、「レスポール・カスタム」のルックスを完全に再現し、サウンドもマホガニーボディにハムバッカーを載せた、典型的なレスポールのサウンドが出ていることがわかります。
このギターが6万円程度で買える一方で、本家ギブソンのレスポールカスタムは、50万円とかいうレベルなわけですから、たとえばレスポールカスタムのルックスに惚れ込んでいるような場合、こちらエピフォンのギターでも、十分すぎるくらいの満足度が得られるのではないかと思います。
ゴールドパーツゆえにピックアップ交換が悩ましい
とまあ、ここまでのレビューの展開は、実はおおむね、以前レビューしたエピフォンのレスポール・スタンダードとほぼ同じ。
てことは、「ピックアップを交換すれば大化けする可能性がある」というようなことが、このレスポール・カスタムでも書けるのではないか…と思うのですが、ここで一点、悩ましいところがあります。
それが、レスポール・カスタムであるがゆえの、ゴールドパーツの採用。
エピフォンのレスポール・カスタムも、ギブソンのそれをルックス的に再現するため、金属パーツはそのすべてにゴールドパーツが採用されており、これはルックスの印象に大きく左右するピックアップカバーも同様。
ところが、ピックアップを交換しようとすると、このピックアップカバーも当然に換えなくてはいけなくなるのですが、リプレイスメントピックアップで、ゴールドカバーに対応しているものは、実はそれほど多くありませんし、また入手も非常に困難。
カバーだけを別売りで購入する手もありますが、このピックアップカバーもゴールドパーツになると4,000円程度もしてきますので、決して安くない買い物になります。
ですので、このレスポール・カスタムの場合、ピックアップ交換をすべきかどうか、かなり悩ましい判断を求められることになります。
もちろん、お金で解決できる部分もあるのですが、エピフォンのレスポール・カスタム自体、「安い」ことに大きな価値があるギターですので、果たしてそこまでお金をかけるべきなのかどうかは…慎重な判断が必要になります。
【まとめ】ルックスのカスタム、改造のベースとしてのスタンダード。
このように、エピフォンのレスポール・カスタムについては、ルックスを本家ギブソンと同様にしつつも、その他のエピフォンのギターと同様に、生産国とパーツのコストダウンにおいて工夫することにより、相当に手に取りやすい価格帯での販売が実現されています。
レスポール・カスタムといえば、多くの人にとっての、憧れのギター。それを6万円台で購入できるというのは、かなり魅力的に映ります。
ただし、このギターの場合、サウンドをよりグレードアップさせるためにピックアップ交換に手を付けようとした場合、最大の魅力であるルックスのインパクトを失ってしまう点が、実はかなり悩ましかったりします。
個人的には、使えるレスポールを安く手に入れたかったら、スタンダードのピックアップ交換、ルックスを追い求めるならカスタムを購入時仕様のまま使用、というのがベストな選択かなあ、と思います。
やはり、レスポール・カスタムのこの威風堂々とした佇まいは、他のギターにはない魅力です。ぜひ、そうした存在感を、お求めやすい値段で、味わっていただければな、と思います。