ギタリスト・かとうたかこの音楽ブログ

楽器レビューのほか、音楽をテーマにブログを書いています。

アマチュア音楽業界における「意識高い系」の特徴、問題点…そして対策

意識高い系」。

 

大学生やビジネス業界などにおいて、しばしば嘲笑の対象となったり、あるいは忌避されてしまう存在です。

 

最近、このような存在を、身近なアマチュア音楽業界でも見かけるようになりました。

 

本日は、そのような音楽業界における「意識高い系」の特徴や問題点と、こういった人々とどう向き合っていくかについて、考えていくことにしましょう。

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そもそも「意識高い系」とは

まず、音楽業界に関する議論に入る前に、「意識高い系」の定義について、再確認しておこうと思います。

 

「意識高い系」という言葉が、比較的最近用いられるようになった言葉ですので、ここで明確な定義を行うことは難しいのですが…

 

意識高い系をあえて定義づけるなら、「前向きな言葉を過剰に発し、自己顕示欲・承認欲求が過度に高い人」のことなのかなあ、と思います。

 

Wikipediaなどを見ていると、これに加えて「実力や中身が伴っていない人」ということが書かれていたりもするのですが、昨今の情勢を見ていると、実力や中身が伴っている人であっても、過剰に意識の高い発言を連発している人は、「意識高い系」として忌避される傾向にあるので、当ブログにおいては、実力や中身の有無については、あえて触れないことにしようと思います。(もちろん、「実力や中身がないのに、意識だけが高い人」がもっとも問題なのは、言うまでもありません)

 

ですので、当ブログにおける「意識高い系」の定義は、「前向きな言葉を過剰に発し、自己顕示欲・承認欲求が過度に高い人」として、以下の議論を進めます。

 

音楽業界における「意識高い系」あるある

それでは、この定義を踏まえ、アマチュア音楽業界における「意識高い系」の特徴を見ていこうと思います。

 

やたらと「名言」「良いこと」を言おうとしがち

これは音楽業界における「意識高い系」に限った話ではないのですが、意識高い系の人は、とにかくSNS等において「名言」「良いこと」を言おうとすることに注力しています。

 

具体的なアカウント名を上げたり、その「名言」のたぐいを例示列挙することは避けますが、巷の名言を引用しながら共感を促したり、自ら名言になるような「良いこと」を言おうとしていたり…。

 

このあたりを、普遍的な表現でお伝えすることは、私のつたない文章力ではなかなか難しいのですが、私が何を言わんとしているかは、「音楽系意識高い系アカウント」を見たことがある人なら、きっとご理解いただけるかと思います。

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イベントをやたらと企画しがち

意識高い系の人は、やたらと勉強会・セミナーに参加したり、怪しげなイベント等を主催しがち…というのは、一般論としてもよく言われていますが、音楽業界における「意識高い系」においても、この傾向は一定程度あてはまる傾向があります。

 

それでは、どのようなイベントが仕掛けられているかというと…多くの場合、

  1. 仲間うちライブ
  2. ジャムセッションイベント
  3. 単なる飲み会

この3つが定番化しています。

 

仲間うちライブ

「仲間うちライブ」については、当ブログにおいて、過去から幾度も問題提起をさせていただいているように、「仲間うちだけで楽しみ、チケット代を払ったその他のお客さまに疎外感を味わわせて帰らせる、非常に筋の悪いイベント」です。

 

www.tk-guitar.com

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そうでなくてもやっかいな「仲間うちライブ」ですが、これが意識高い系に主催されてしまうと、そのイベントは、瞬く間に「音楽つきの怪しげな自己啓発セミナー」に様変わりにしてしまいます。

 

私もこの手のライブに参加したことがありますが、ホント、筆舌に尽くしがたい雰囲気でした…。

 

ジャムセッションイベント

ジャムセッションイベントの問題点については、以前当ブログにおいて「ざんジャム」こと「ざんねんなジャムセッションイベント事典」で議論させていただいております。

 

このような意識高い系の人がホストになるジャムセッションイベントは、「ざんジャムの定義4:スピリチュアル・自己啓発セミナーに似た空気」に該当することがほとんどです。 

www.tk-guitar.com

 

単なる飲み会

最後の「単なる飲み会」については、一見人畜無害のように見えます。

 

でも、その場をきっかけに、前述のような「仲間うちライブ」や「ざんねんなジャムセッション」への勧誘を受けたり、ひどいパターンになると、オンラインサロンに誘われたりするなどの「勧誘の場」として機能することが多いです。

 

忘年会や新年会、歓送迎会などの季節は、特にご注意ください。

 

「弾いてみた」動画で実力誇示しがち

TwitterやYouTubeでよく見かける「弾いてみた」動画。多くの閲覧者を楽しませている、人気コンテンツです。

 

その中でも、特に注目を集めているのが、高度なテクニックを駆使した演奏動画。ギターであれば早弾き系のギターソロ、ベースであればド派手なスラップ、ドラムであればツインペダル・ツーバスを活用した高速プレイなどでしょう。

 

こういったハイテク「弾いてみた」動画は、娯楽として見る分には楽しいのですが、やっかいなのが、こうした動画を、自らの実力誇示のために悪用しているパターン。

 

「誇示」ということは、何らかの目的をもって「誇らしげに示す」ということを意味するわけですが、では何のためにそれをしているかというと、「自分の活動に箔を付けるため」というのが、ほぼすべてです。

 

先述の「ざんジャム」で問題提起したジャムセッションにせよ、後述するオンラインサロンや情報商材にせよ、あるいは楽器のレッスン講師でもこれをやってしまうパターンが散見されますが、いずれにせよ、「こんなすごい人がかかわっている活動なんですよ~」と誇らしげにアピールすることで、自らの活動に付加価値を加えようとしているわけですね。

 

その実力誇示の様子が、非常に上から目線で、かつプレイスタイルの影響で高圧的に見えてしまうがゆえに、こうした「実力誇示の弾いてみた動画」は非常に嫌われているのですが、当事者はそれに気づく様子はありません。

 

なお、「実力を誇示しているつもりはない」というふうに主張される方もいらっしゃるようですが、それを判断するのは、発信者ではなく、受信者です。受け取った側が「実力誇示」というふうに感じてしまうようでは、たとえ発信した側にその意図がなくても、それは立派な「実力誇示」なのです。

 

意識高い系の定義である「自己顕示欲・承認欲求の強さ」が如実に出ているのが、この項目だと言えるでしょう。

 

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「いいね」数やリツイート数に妙なこだわりを見せがち

意識高い系の人は、自らの投稿における「いいね」数やリツイート数に、異様なこだわりを見せています。

 

自らが発した、「名言」的な投稿や、自らが主催するイベントの告知、「弾いてみた」動画などなど…これらが、どれくらいフォロワーやその周辺に広がっているかについて、非常に気になっているのです。

 

自分の投稿がどれくらいの人に伝わっているかを気にすること自体は、Twitterを使っている人なら多かれ少なかれあることかとは思うのですが、意識高い系の人の場合は、そこの数値を稼ごうとするあまり、自分のツイートをリツイートしたり、「○○いいねありがとうございます!」などの一言コメントとともに引用リツイートしたりするなど、「なぜそこまで…」と思うくらいに必死だったりします。

 

特に、自らの「弾いてみた」動画を何度もRTしている人は、この傾向が特に顕著だと言えます。意識してみてみると、結構目につくものですよ。

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オンラインサロンの開設や情報商材の販売などを始めがち

これが出てくると、いよいよ末期かなあ…というのが、「オンラインサロンの開設」や「情報商材の販売」

 

このあたりは、怪しげな意識高い系の人たちが、自らの意識高い系活動を通じて金銭を得ようとするときに手がける、もっとも手っ取り早い手法です。

 

オンラインサロンについては、巷でもさんざん言われているとおり、「主催者を教祖のようにした、宗教的な場所」であったり、「大した価値のないコミュニティの構成員となるために金銭的負担を強いられる場所」であったりと、基本的にはポジティブな評価を得られるようなものではないのです。

 

また、「情報商材」も同様です。大した価値のない情報を高額で購入させられ、問題になっている事案も、インターネットで検索すれば枚挙に暇がありません。

 

このあたりに手を出している人は、たとえ本人が何を言おうとも、「初心者ミュージシャンを信者にし、宗教的なビジネスで一儲けしようとしている者」とのレッテルを貼られても仕方がありません

 

音楽業界における「意識高い系」の問題点

それでは、このような「意識高い系」がいると、どのような問題が生じてしまうのか、少し考えてみることにしましょう。

 

強すぎる自己顕示欲・承認欲求に嫌悪感を持たれる

これまで見てきたように、意識高い系は、過度に前向きな言葉を連発して周りに違和感を持たれたり、強すぎる自己顕示欲・承認欲求がSNS等で暴走したりするなどしてしまう傾向にあります。

 

もちろん、音楽という自己表現の場の中での議論ですので、一定程度の自己顕示欲・承認欲求が許容される世界であることは前提ですが、その上でも、意識高い系の各種言動については、度を超したものが多々あるのが実情です。

 

そして、その傾向を、意識高い系ではない、一般の人が見るとどうなるか…。

 

端的に言うと、「ドン引き」という言葉で表現されるような、強い違和感を持たれてしまうのです。

 

要は、「過度な自己顕示欲・承認欲求に対する、一般人からの強い違和感」。これこそが、意識高い系が嫌われてしまう、最大の要因だと言えるでしょう。

 

意識高い系は、味方の3倍、敵がいる

音楽業界における、このような「意識高い系」の人というのは、Twitterの稼働状況を見る限り、意外と多くのフォロワーに囲まれていたり、あるいは自らが主催するイベントにおいて一定程度の動員があったりして、外形上は「一定の信頼を得ている」ように見えます

 

でも、この手の人の周りにいるのは、得てして「信者」か「利害関係をともにする関係者」のみであって、ニュートラルな立場で音楽を楽しみに来ている人は、非常に少数です。いや、現実に言うと、一時的には一定程度「いた」のですが、意識高い系の人の立ち振る舞いにうんざりして、静かにその場を去っているのが実情です。

 

ここで私の普段の仕事の方を振り返ってみるのですが、人事系の案件に取り組んでいるときに、よく言われていることがあります。

 

意識高い系は、味方の3倍、敵がいる

 

意識高い系の人は、確かに周りに信者的な仲間を一定程度有しており、外形的には人望がありそうに見えるのですが、一方で、そうした怪しげな活動に不信感を抱いていたり、詐欺的な手法で金銭を得ていることに嫌悪感を覚えている人が、声を上げないだけで、相当にたくさんいます

 

それを肌感覚的に表したのが「味方の3倍の敵」という表現。

 

ですので、企業等の人事配置においては、意識高い系の活動に精を出している人を、組織の要職に就けることは稀です。そのようなことをすると、企業が組織として「姿の見えない敵」と対峙しなければならなくなるわけですから、あまりにリスクが高すぎるのですね。

 

この「3倍の敵」の存在を、意識高い系の人は、

  1. 気づいていないパターン
  2. 気づいた上であえて気づいていないふりをするパターン
  3. 気づき、敵対心をむき出しにして煽りまくっているパターン

これら3つのいずれかで処理していることになりますが、いずれのパターンも、敵の数を減らすことが出来ていないという点においては、得策ではありません 。

 

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見えない敵は「炎上リスク」に火を付けてくる

そして、このような「見えない敵」は、意識高い系に対してどのような攻撃を仕掛けてくるか

 

もっともオーソドックスなパターンは、「炎上リスクに火を付ける」です。

 

オンライン・オフラインを問わず、コンプライアンス違反人権意識に欠いた発言ハラスメントを疑われるような言動があれば、そこを突いて攻撃を仕掛けてくる、というものです。

 

音楽系であれば、おおむね下記のような事例に対して、攻撃を仕掛けてくる可能性が高いといえるでしょう。

  • 無許可の路上ライブ
  • 内輪ノリのライブ
  • 自然災害の中でのライブ強行
  • ジェンダー的な視点での問題発言
  • ジャムセッションにおける高圧的な言動
  • 楽器を粗末に扱う行動
  • ネット上での他者への煽り・荒らし
  • セクハラ・パワハラを疑われる行為
  • 詐欺まがいのオンラインサロンの運営・情報商材の販売

これらは、意識高い系であろうとなかろうと留意しなければならない事項ばかりですが、特に意識高い系の人がこれをやってしまうと、ネット上・実際の活動を問わず、快く思わない人に問題視され、炎上させられてしまうリスクが著しく高まります

 

なお、これらの項目のうち、前述の「仲間うちライブ」「ざんジャム」のほかにも、当ブログにおいて「何が問題か」を指摘したものがあります。合わせてご覧ください。

 

www.tk-guitar.com

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意識高い系になってしまっていたら、どうすべきか

このように、意識高い系になってしまう、あるいは周りから「意識高い系」と見なされてしまうと、周りにたくさんの「見えない敵」ができてしまい、その時は良くても、中長期的に見たときに、非常に大きなリスクを抱えてしまいます。

 

では、このようになってしまったときは、どうすれば良いのでしょうか。

 

答えは簡単、前述の「意識高い系あるある」で示した特徴を可能な限り減らすことです。

 

「意識高い系の特徴」は、これらが複数該当することによって、意識高い系と見なされてしまう要素が高まってしまうのですが、逆に言うと、これの該当数を減らしていくことによって、自らが意識高い系だと見られにくくなる、ということなのです。

 

具体的には、次のような点を意識すると良いでしょう。

  • 全体的にTwitterへの投稿数を減らす。特に「過剰に前向きな言葉」や「実力誇示系の弾いてみた動画」は、できるだけ削除するとともに、今後の投稿を控えめにする。(どうしてもやりたければTwitterとは切り離し、YouTube等で独立したコンテンツとして運営)
  • イベントの企画において、自分が前面に出ないようにする。また、「仲間うちライブ」と批判されるような運営を避ける。
  • オンラインサロンや情報商材は原則中止。どうしてもやるなら、批判や炎上を覚悟の上で「それ系のビジネス」と割り切る。

意識高い系が嫌われてしまう理由の多くは「強すぎる自己顕示欲・承認欲求への嫌悪感」「うさんくさい商売への拒否感ですので、これらを可能な限り緩和するようにしていけば良い、ということですね。

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周りに「意識高い系」になった人がいれば…そっと諫言を

また、もしあなたの身の回りに、こうした「意識高い系」になってしまい、敵が増えてしまっているなあ…というような人がいらっしゃれば、そのときはぜひ、上記のような視点での課題意識を持ちながら、ご本人のプライドを損ねないように、そっと諫言してあげていただければな、と思います。

 

意識高い系の人の能力やスキル、そして意欲は、「出る杭は打たれる」的なロジックで単純に潰してしまうには、あまりにももったいないものです。

 

なので、それらをより多くの人が好意的に受け入れることが出来るように、軌道修正をしてあげることが、意識高い系になってしまった人の友人・仲間として、もっとも正しい行動だと思います。

 

【まとめ】意識高い系を軌道修正し、その能力と意欲を正しい道へ

意識高い系…。ビジネスのフィールドにおいても、多くの人事畑の会社員等を悩ませている案件ですが、その悩みと解決策は、実は音楽業界においても、同様に存在しています。

 

意識高い系は、本人の知らないところ、見えないところで、数多くの敵を作り出してしまい、コミュニティの運営においては非常にリスキーであり、特にコミュニティの上層部にこういう人が存在すると、コミュニティそのものが崩壊してしまうリスクを抱えてしまいます。

 

ただ一つ、ビジネス業界と音楽業界で決定的に違うのは、「音楽業界の意識高い系は、実力や能力が標準以上であることが多い」こと。

 

なので、これを単純に「出る杭」として叩いてしまうのが惜しいのも、また事実です。

 

なので、「意識高い系の特徴や問題点」をしっかり共有し、できるだけ自分自身が「意識高い系」になってしまわないこと、そして可能であれば自分自身で是正するとともに、もし周りに仲間がいれば、当事者への諫言を通じて、正しい道へ誘ってあげること…これが何より重要です。

 

楽しい音楽の世界。「意識高い系」のせいで、コミュニティが崩壊することは、何としても避けなければなりません。

 

どうか、「意識高い系」に困っている人が、少しでも減っていきますように…。