本日は、Dimarzio(ディマジオ)のギター向けピックアップ、DP189 ToneZone Sについてご紹介しようと思います。
- シングルハムになったToneZone
- これがシングルハム!圧倒的なパワー
- フルサイズハムバッカーのTone Zoneよりも中~高域が強い
- まとめ…Tone Zoneの代わりというよりは、シングルハムらしさを求めて
シングルハムになったToneZone
ディマジオのTone Zoneといえば、ハードロック系のギタリストさんに愛用されている、ハムバッカーピックアップの大定番。
とにかく、低音からローミッドくらいに、すさまじいパワーと存在感があり、これがハードロック~メタル系のギタリストさんに好まれる要因となっています。
そして、そんなTone Zoneを、なんとかしてシングルコイルのギターでも使いたい、というニーズに対応できるようにリリースされたのが、このシングルコイルサイズのハムバッカー、Tone Zone Sだというわけなのです。
これがシングルハム!圧倒的なパワー
さて、サウンドの方はどうかというと…。このピックアップ、おそらく3シングルのストラトキャスターのリア(ブリッジ)につけるのが一般的ですので、通常のシングルコイルと比較すると、その特徴が非常に分かりやすいと思います。
Fender Single Coil vs Dimarzio Tone Zone S vs Chopper
とにかく、圧倒的なパワーです。通常のシングルコイルであればクリーンになるようなところが、このTone Zone Sだと、クランチくらいまで歪んでくるような感じがします。
もちろん、正真正銘のハムバッカーであるTone Zoneそのものと比べるとパワーも弱く、あの圧倒的な低音が再現されるまでには至らないのですが、3シングルのストラトを手っ取り早くハイパワー化する際には、非常に有力な選択肢だと言えるでしょう。
フルサイズハムバッカーのTone Zoneよりも中~高域が強い
ちなみに、フルサイズハムバッカーのTone Zoneと弾き比べてみると、こちらのシングルハムのTone Zone Sについては、どちらかというと中域~高域に強いパワーが出ている印象を受けます。
ハードロックを受け止められるようなパワーを出す、と言う点においては両者は共通おり、そしてSの方もハムバッカーの方に近づこうという設計思想はあるようなのですが、やはりそこは、純粋なハムとシングルハムとの間に、どうしても埋まりきらない差があるように感じます。
まとめ…Tone Zoneの代わりというよりは、シングルハムらしさを求めて
このように、このTone Zone Sは、一般的なストラトのシングルコイルと比べて、相当に強烈なパワーを有していることが確認できた一方で、フルサイズハムバッカーとはやはり根本的な設計が違うがゆえに、どうしても「全く同じ音」にはならず、どちらかというと中域~高域でパワーを発揮しているような印象を受ける点、ここまで記述してきました。
これを踏まえると、このTone Zone Sは、「Tone Zoneをシングルサイズで」というコンセプトで使用するというよりは、どちらかというと、3シングルのストラトを、ハードロックに対応できるようにハイパワー化する際のツールとして活用する方が、存在意義を発揮しやすいのではないかと考えられます。
フルサイズTone Zoneのような轟音の低音を再現するのは難しいかもしれませんが、一方でストラトらしい部分を強化して、ハードロックサウンドの中に持ち込むというのは、これはこれで、フルサイズハムバッカーでは難しいアプローチだと思います。
最近、シングルハムのピックアップを見かける機会はめっきり少なくなったように思いますが、そんな今だからこそ、あえて使ってみると、非常に個性的なプレイスタイルを構築できるのではないかと思います。
ストラトユーザーの皆さん、Tone Zone S、是非一度、試してみてください。