引き続き、オーバードライブの話をしてみようと思います。
今回も再びBOSSの定番機種、SD-1のレビューです。
ロングセラーのオーバードライブ
これも、ここまで紹介してきた「BD-2」と同様、長きにわたって愛されているペダルですよね。
SD-1の歴史…OD-1からの進化
さて、このオーバードライブ「SD-1」は、「Super Overdrive」、スーパーオーバードライブという通称で知られています。
「何がスーパーなの?」という話ですが、これはBOSSエフェクターの黎明期までさかのぼらないといけないかもしれませんね。
もともと、BOSSが最初に発売したコンパクトエフェクターの1つが、かの有名な「OD-1」。元祖のオーバードライブでした。
この「OD-1」は、発売当初は「歪みの量が足りない」などといった声もあった一方で、手頃な価格と、ブースターとしての使いやすさ、筐体の頑丈さなどから、大ヒット商品となりました。
一方で、つまみが「ゲイン」と「ボリューム」のみのシンプルさであり、サウンドバリエーションを広げたいというような声があって、これに応えたのが、「トーン」つまみを追加した「スーパーオーバードライブ」こと「SD-1」というわけなのです。
OD-1の方は、このSD-1のほか、OD-2などといった後継機の登場もあって、1985年には生産を終了してしまうのですが、そのシンプルな潔さと、エフェクター業界におけるエポックメイキングな意味合いから、今もなお根強いファンが多く、中古市場では高値安定の取引が行われています。
※追記
OD-1については、別途記事を掲載しているので、こちらもあわせてご覧下さい。
一方で、今回のSD-1については、今なお現行品でもありますので、BOSSのコンパクトエフェクターでおなじみの「1万円」でおつりが来るような買い方ができます。というか、最近は実売価格が5,000円台にまで下がってきており、かなり買いやすいですね。
サウンドは「自然な歪み」
さてさて、そのSD-1のサウンドなのですが、基本的には「自然な歪み」といったところでしょうか。ポップ系のロックバンドで、カッティングなんかをするとすごく気持ちが良いような音ですね。
SD-1 SUPER OverDrive [BOSS Sound Check]
ただ、このSD-1にしても、その前身のOD-1にしても、真価を発揮するのは、ブースターとして使ったときだと言われています。ゲインを絞り、ボリュームを上げて、ギターソロのときなどにグイッと踏むと…ギターサウンドが、激しく前面に飛び出てくるのです。
このほか、チューブアンプの歪みに、隠し味的に「ちょい足し」してあげるのも、なかなか面白い使い方だと思います。
SD-1とOD-3の違い
ちなみに、よく「SD-1とOD-3の違い」という議論がありますが、私の感覚だと、
・SD-1…きめの細かいオーバードライブ
・OD-3…少し荒々しいオーバードライブ
というような印象を持っています。
なので、歪みとして使うならOD-3、ブースターとして使うならSD-1みたいな使い分けがいいかなあ…と思いますが、SD-1の歪みが心地よかったりするときもあるので、ここは本当に悩ましいです。
【まとめ】気軽に買えて、長く使えるエフェクター。
このように、1台持っていると、幅広くいろいろ使えるSD-1。
前述のように、価格が5,000円台にまでなってきて、いよいよホントに気軽に買えるというのも、ものすごい強みだと思います。
歪みエフェクターとして使っても良し、ブースターとして使っても良し。後にさまざまな歪みペダルを買い足していったとしても、何だかんだでエフェクターボードに存在感を発揮できる…。
もしエフェクターを持っていない初心者ギタリストさんがいれば、後々までずっと使えるという点もおいても、ぜひ最初に使ってみてほしいエフェクターだな、と思います。
長く第一線の現役で居続けている、ロングセラーのエフェクターには、それなりの理由があるんですよ。