本日は、BOSSのWAZA Craft(技クラフト)シリーズ、SD-1Wをご紹介しようと思います。
WAZA CraftとSD-1
名前、そして見た目からもおわかりのとおり、これ、BOSSのオーバードライブ、SD-1を、言うなればセルフモディファイしたような格好の商品です。
最近、BOSSはどちらかというとデジタル系のエフェクターに注力してきていますが、このWaza Craftシリーズは、アナログの従来品を、現代的にカスタマイズしてきているイメージですね。
そのベースとなるSD-1については、このブログでもレビューを書いたことがあります。とにかく安定感、安心感がある一品ですよね。最近は実売価格が5,000円程度に下がっていることもあり、価格も含めた使い勝手の良さが光る一品です。
SD-1Wの特徴
このエフェクター、基本的なつまみは「LEVEL」「TONE」「DRIVE」と、ノーマルのSD-1と一緒なのですが、TONEつまみの上に「S」と「C」と書かれたスイッチがあります。
これは、モード切替スイッチなんです。
「S」は「スタンダードモード」で、オリジナルのSD-1の音色であるというふうにされています。ただ、そうはいっても、ディスクリート回路を使用し、全体的に上質に仕上げられているためか、より扱いやすい音色になっている印象です。
一方の「C」は「カスタムモード」。スタンダードモードより…というかSD-1よりもゲインをアップしたサウンドになっているとされています。SD-1Wらしいサウンドを求めるのなら、こちらを使っていくことになるのでしょう。
で、その「C」モードのサウンドなのですが、私の印象では「上質で元気」という印象。基本的にはSD-1と同じサウンドの方向性を向いてはいるのですが、そこにパワーが加わり、非常に弾いていて心地よいです。
アナログならではの追従性
また、「これぞアナログ!」って感じの追従性の良さ…これはピッキングやボリュームに対する追従性なのですが、ここもまた自然な感じ。
なんといいますか、ギタリストの本能に訴えかけてくるような、そんなオーバードライブだと思います。
この手のハンドメイド系のエフェクターというのは、ともすれば3万円前後くらいが相場になってしまって、なかなか買うのにも勇気がいる価格ところなのですが、このBOSSのWaza Craftシリーズは、1万円台後半で売られているところもポイントが高いです。
また、BOSSの頑丈な筐体であること、新品で買えば5年保証がついてくるところなど、細かいところでBOSSの安心感を得ることができるというのも大きいところ。
ノーマルSD-1との比較
ところで、このSD-1WとノーマルSD-1。ノーマルSD-1が5,000円というバーゲン価格になっていることもあって、両者の間には、結果として1万円以上の価格差がついています。
この価格差と音との関係をどう整理するか。
両者を聞き比べてみると、SD-1Wの「S」モードと、ノーマルSD-1は、確かにわずかな差はあるのですが、ここに1万円の価格差を見出すのは、ちょっと理屈では難しいかもしれません。
ただ、一方で、SD-1Wの「C」モードについては、方向性こそ同じではあるものの、これはもう、別のエフェクターとして理解してもいいのではないかと思えてきます。
そう考えると、SD-1Wは、「SD-1のパワーアップ版」というよりは「SD-1と、SD-1ベースのゲインアップしたオーバードライブの2個が1つになった商品」というふうに理解できてきます。
このあたりの感覚は、後発のJB-2に通じるところもあるかもしれません。
こういうふうに理解すると、SD-1Wの1万円の高さは、高いどころかむしろお買い得なのではないか…そうとさえ思えてくるほどになります。
オーバードライブ愛好家の方には、ホントにオススメです。ぜひぜひ、試してみてください。