ギタリスト・かとうたかこの音楽ブログ
楽器レビューと音楽コラム
コラム

シグネチャーモデル・アーティストモデルについて考える。

ギターやベースなどの楽器において、しばしば話題になる、プロミュージシャンと同様の雰囲気を持った楽器である「シグネチャーモデル(アーティストモデル)」。

本日は、そんなシグネチャーモデルについて、その概要や、メリットやデメリットを中心に考えてみたいと思います。

この記事はこんな人にオススメ
  1. シグネチャーモデルとは何かを知りたい
  2. 「シグネチャーモデル=使えない」と言われる理由を知りたい
  3. 最近のシグネチャーモデルの特徴について教えてほしい
  4. シグネチャーモデルのメリット・デメリットを考察したい

シグネチャーモデルとは

シグネチャーモデルとは、プロのアーティスト本人が使っている楽器と全く同じ楽器、またはスペックは異なるものの、同一のルックスを維持した楽器のこと。

かつては「アーティストモデル」と呼ばれることの方が多かったように思いますが、最近では、この「シグネチャーモデル」という呼び方が主流になっている様子。

「シグネチャー(Signature)」とは、「署名・サイン」のこと。実際、シグネチャーモデルの中には、アーティストの署名・サインがデザインとして盛り込まれたものもたくさんあります。

シグネチャーモデルへの意識の変化

さて、そんなシグネチャーモデルですが、概ね1990年代〜2000年代くらいまでは、様々な商品がリリースされてきていたものの、巷での評判は、決して高いものではなかったように思います。

その背景には、やはりシグネチャーモデルというものは、やはり各アーティストの個性が全面にでたデザインとなっているものが多く、一見しただけでそのアーティストが想起されてしまうため、ライブ等で使いにくい、といった事情が強かったようです。

一方で、2010年代くらいからは、若者に人気のあるアーティストのシグネチャーモデルがフェンダーから多々リリースされるようになり、またそのデザインも、一般的な楽器の延長線上にあるものが多くなってきています。

そのため、最近ではフェンダー以外も含め、シグネチャーモデルがかなり使いやすくなってきており、かつてのようにライブ等の現場で使われなかったり、あるいは批判的に見られる向きもだいぶ減ってきています。

シグネチャーモデルのメリット

さて、そんなシグネチャーモデルについて、まずはメリットをいくつか整理してみようと思います。

【メリット1】憧れのアーティストと同様の楽器を手にできる

まず、やはりシグネチャーモデルの最大の魅力はこれ。

憧れのアーティストと、同じルックスの楽器を手にできるという、その喜びは、アーティストのファンであれば、何物にも代え難いことでしょう。

また、アーティストと同じルックスの楽器は、当該アーティストまたはこれが属するバンドのコピーバンドをするときに、大きなインパクトを残せること間違いなしです。

かとうたかこ
かとうたかこ
布袋モデルのギターは、やはりBOOWYコピバンにはなくてはならないものですよね♪
【レビュー】フェルナンデス 布袋モデル(TE-95HT、TE-115HT)※2022年2月更新今回のレビューは、既に生産が終了してしまっていますが、フェルナンデスの布袋モデルについて書いてみたいと思います。 ...

【メリット2】特徴的な仕様・スペックになっている

また、シグネチャーモデルは、市販のレギュラーラインナップにはない、プラスアルファの特徴的な仕様があったり、またスペックが異なっていたりすることがあるのも、魅力の一つです。

例えば、イングヴェイ・マルムスティーンモデルのストラトは、ルックスこそ68年代ストラトのそれですが、スキャロップ指板と本人仕様のピックアップの搭載により、ハードロックでの速弾きに特化した、通常のストラトとは大きく異なる仕様になっています。

【レビュー】Fender (Made in Japan) Yngwie Malmsteen Stratocaster 日本製のイングヴェイモデル!(2022年1月追記)今回は、ギター本体のレビューです。 日本製フェンダーからリリースされている、イングヴェイ・マルムスティーンモデルのストラトキャスタ...

また、ハマ・オカモトモデルのプレシジョンベース「#4」は、一見普通のプレシジョンベースのように見えますが、ネックをジャズベースのものにすることにより、プレベでありながら高いプレイアビリティを獲得することに成功し、初心者の方にとって非常に使いやすいベースに仕上がっています。

【レビュー】Fender Hama Okamoto Precision Bass「#4」…ハマ・オカモトモデルのプレベ。(2021年11月追記)今回は、フェンダーのハマ・オカモトモデルのプレシジョンベース、「#4」について、レビューさせていただこうと思います。 (2021年...

このように、シグネチャーモデルの中には、外見は普通のギター・ベースとあまり変わらないのに、仕様を少しアレンジすることによって、非常に面白い楽器になっているものがあります。

こういったシグネチャーモデルについては、当該アーティストのファンでなくても、積極的に使っていけますよね。

シグネチャーモデルのデメリット

一方で、シグネチャーモデルについては、デメリットもいくつか存在します。以下、それらを見ていくことにしましょう。

【デメリット1】個性的すぎるデザインは汎用性に欠く

シグネチャーモデルの中には、非常に個性的なルックスのものも多くあります。

もちろん、その個性的なルックスは、すなわち当該アーティストの個性でもあり、ファンにとってはたまらないものであることは論を待ちません。

一方で、その強すぎる個性は、当該アーティストにかかわる音楽以外のジャンルを演奏するときに、違和感となって受け入れられるのも、残念ながら事実です。

たとえば、布袋モデルは、非常に使い勝手の良いギターであり、またいわゆる「G柄」と呼ばれるそのルックスはBOOWYコピバンや布袋コピーをするときには最高のデザインとなるわけですが、このギターで、たとえばKing Gnuのコピーバンドをすると、やはりそこには強烈な違和感が出てしまうのは間違いなしでしょう。

個性的すぎるデザインであるシグネチャーモデルは、使いどころを選ぶ、汎用性の低い楽器になってしまうのです。

【デメリット2】一般的なシグネチャーは本人と完全同仕様ではない

先ほど、シグネチャーモデルの定義として、

プロのアーティスト本人が使っている楽器と全く同じ楽器、またはスペックは異なるものの、同一のルックスを維持した楽器

という文章を書きましたが、実際問題として、多くのシグネチャーモデルは「全く同じ楽器」ではなく、「スペックは異なるものの、同一のルックスを維持した楽器」にとどまっています。

たとえば、多くのシグネチャーモデルを世に送り出しているESP系列の楽器でいうと、本人と全く同仕様になっている楽器は、ESPブランドからリリースされている、数十万〜数百万円もするもので、普通のプレイヤーにはとても手が出せません。

そこで、多くの人が手にするのが、その廉価版であるエドワーズ(Edwards)やグラスルーツ(Grassroots)のシグネチャーモデル。こちらは価格は現実的なものに設定されている一方で、木材の選定やピックアップ、ペグやブリッジなどといった細かいパーツは、本人仕様とは異なっていることが多いです。

かとうたかこ
かとうたかこ
過去記事では、SUGIZOモデルにおいて本人同仕様モデルとエドワーズモデルの比較を少し行っています。
【レビュー】EdwardsのSUGIZOモデル、KIKUMARU&S.K.I.N本日は、ギターのレビューを書いてみようと思います。 今回取り上げるのは、LUNA SEAのギタリストとして、そして最近はX JAP...

【デメリット3】下取り・買取査定が厳しくなりがち

これは特に1990年〜2000年代の、シグネチャーモデル冬の時代によく言われていたことなのですが、シグネチャーモデルについては、

  • 基本的に特定アーティストのファン向けの楽器
  • 個性的すぎるデザインで汎用性がない
  • 賞味期限が短い(別のアーティストに人気が移る、新しいモデルが出る)

といった点から、下取り価格が非常に厳しく査定されがちでした。現に、中古楽器市場を見ていると、最近はイマイチ名前を聞かないアーティストのシグネチャーモデルが、二束三文でたたき売りされている事例は、よく耳にするところです。

ただし、そうした中にあっても、フェンダーからリリースされているシグネチャーモデルは、楽器の土台となる部分がスタンダードなものになっているためか、下取り査定が厳しい評価になることはありません

【まとめ】時代の変化とともに使いやすく!シグネチャーモデルを積極的に!

このように、今回の記事では、シグネチャーモデル(アーティストモデル)の楽器について、その評価の変遷や、メリット・デメリットについて、いろいろと考えを巡らせてみました。

かつてのアーティストモデルというと、個性的なデザインで、当該アーティストのファン以外は使いにくいような楽器に仕上がっていることが多く、このことが「シグネチャーモデル=使えない」というような空気を作り出していたように思います。

一方で、最近のシグネチャーモデルは、スタンダードな仕上がりになっているものが多く「オーソドックスな楽器のバリエーションの1つ」として、積極的に評価したり、当該アーティストのファン以外でも使っていけるものが非常に増えてきています。

「シグネチャーモデル=使えない」は、もはや過去の話。最近のシグネチャーモデルは、予断や偏見なく、また特定アーティストへの肩入れなどもなく、気軽に使える楽器へと変遷してきています。

楽器購入に際しては、ぜひこうしたシグネチャーモデルも選択肢の一つに入れて、いろいろと検討していただければ、とても嬉しく思います。

かとうたかこ
かとうたかこ
当ブログでも、さまざまなシグネチャーモデルのレビュー記事を書いておりますので、ぜひ合わせてご覧くださいね!
【レビュー】フェルナンデス 布袋モデル(TE-95HT、TE-115HT)※2022年2月更新今回のレビューは、既に生産が終了してしまっていますが、フェルナンデスの布袋モデルについて書いてみたいと思います。 ...
【レビュー】Fender SOUICHIRO YAMAUCHI STRATOCASTER…フジファブリック・山内モデル本日は、日本製フェンダーとしてリリースされている、フジファブリックの山内総一郎モデル、Fender SOUICHIRO YAMAUCHI...
【レビュー】Fender (Made in Japan) Yngwie Malmsteen Stratocaster 日本製のイングヴェイモデル!(2022年1月追記)今回は、ギター本体のレビューです。 日本製フェンダーからリリースされている、イングヴェイ・マルムスティーンモデルのストラトキャスタ...
【レビュー】EdwardsのSUGIZOモデル、KIKUMARU&S.K.I.N本日は、ギターのレビューを書いてみようと思います。 今回取り上げるのは、LUNA SEAのギタリストとして、そして最近はX JAP...
【レビュー】Fender INORAN JAZZMASTER 日本製のINORANジャズマスター!本日は、日本製フェンダーのラインナップからつい先日リリースされたばかりの、Fender INORAN JAZZMASTERについてレビュ...
【レビュー】Fernandes LA-80KK・LA-85KK 初期ラルク・kenモデル。本日は、L'Arc〜en〜Cielのギタリスト・ken氏の初期シグネチャーモデルである、フェルナンデスのLA-80KK、LA-85KKに...
【新製品速報】2021年のラルク・Kenモデル!Fender Ken Stratocaster Galaxy Red本日は、フェンダーからリリースされているL'Arc~en~Cielのギタリスト・Kenモデルのストラトキャスター「Galaxy Red」...
【レビュー】Fernandes LD-85KK Love Driver…昔のラルク・kenモデル。本日は、昔のアーティストモデルについてご紹介しようと思います。 Fernandes(フェルナンデス)から、かつてリリースされていた...
【レビュー】Fernandes LV-115KK ラルク・kenモデルのフライングV!L'Arc〜en〜Cielのギタリストとしてもおなじみのken氏。 現在は、フェンダーとエンドースメント契約を締結し、同社から本人...
【レビュー】Fender MAMI Stratocaster…SCANDAL・MAMIモデルのストラト。本日は、日本製フェンダーからリリースされている、SCANDALのギタリスト・MAMIさんのシグネチャーモデル「Fender MAMI S...
【レビュー】Epiphone Tak Matsumoto DC Custom…あの「松本モデル」をエピフォンで。本日は、EpiphoneからリリースされているB'zの松本孝弘モデル、Epiphone Ltd. Tak Matsumoto DC St...
【レビュー】春畑道哉モデルのストラト…Fender MICHIYA HARUHATA STRATOCASTER(2021年11月追記)本日は、フェンダーからリリースされている、TUBEのギタリスト・春畑道哉氏のシグネチャーモデル「MICHIYA HARUHATA STR...
【レビュー】Sago Seed TD-SG 戸高賢史モデルのSGに光るSagoらしさ。本日は、Sagoのスチューデントブランド・Seedからリリースされているエレキギター、Seed TD-SGについてレビューさせていただこ...
【レビュー】ハマ・オカモトモデルの個性派ベース!Hama Okamoto Fender Katana Bass本日は、フェンダーからリリースされているハマ・オカモトモデルのベース第2弾、Hama Okamoto Fender Katana Bas...
【レビュー】AtelierZ SI-395 聖飢魔II・ゼノン石川和尚のシグネチャー!本日は、聖飢魔IIのベーシスト・ゼノン石川和尚こと、石川俊介氏のシグネチャーモデルであるアトリエZのベース、SI-395についてレビュー...
【レビュー】Fender Flea Jazz Bass …上質なヴィンテージ系ベース!今回は、ベースのレビューです。 フェンダーからリリースされている、Red Hot Chilli Peppers(レッド・ホット・チ...
【レビュー】AtelierZ BK-4・BK-5 KenKenシグネチャーモデル!入手困難になる前に…本日はアトリエZ(AtelierZ)から発売されている、ベーシスト・KenKen氏のシグネチャーモデル「BK-4」「BK-5」についてレ...
【レビュー】Fender Deluxe Jazz Bass V, Kazuki Arai Edition King Gnu・新井モデルの5弦ベース!本日は、King Gnuのベーシスト・新井和輝氏のシグネチャーモデルである、Fender Deluxe Jazz Bass V, Kaz...
【レビュー】Fender TOMOMI PRECISION BASS 扱いやすいプレベをお探しの方へ。今回ご紹介するのは、フェンダーからリリースされているSCANDAL・TOMOMIモデルのプレシジョンベースです。 ...

【おまけ】楽器を売りたいときは…まずはネットで申し込み!

ところで、新しい楽器を購入するにあたって、不要な楽器を売って資金の足しにしたり、あるいは単に使わなくなった楽器を売却したりしたいときって、あると思います。

そういったときは、楽器店の下取りに持ち込んでも良いのですが、やはり重たい楽器ともなると、持って行くのも少し面倒だったりするもの。

そんなときにオススメなのが、ネットからも申し込める楽器の買い取り屋さん。電話でもネットでも申し込みができ、最短30分で楽器を現金化できるという圧倒的なスピードが魅力的なんです。

また、査定も楽器のプロが行いますし、全国対応の安心感もあります。

楽器の下取り・買い取りを検討されておられる方、ぜひネットからの楽器下取り・買い取りにチャレンジしてみてください!


ABOUT ME
かとうたかこ
気がつけば、ギター・ベース歴は20年。ギターなどの楽器と音楽をこよなく愛する社会人のブログです。更新情報はTwitterやFacebookでも発信しているので、ぜひ下のTwitter・Facebookアイコンからフォローしてください!